ニッポン「趣味活」生態図鑑
【第2回】 2010年9月17日
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西川敦子 [フリーライター]

恋人は「顔ハメ看板」、貢いだ金は1000万!?
婚活そっちのけで全国をひとりで旅する40代独身男

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 イベントの際、期間限定で展示される顔ハメ看板も魅力という。いわゆる“まぼろし系”だ。たとえば毎年、日比谷公園で開催される鉄道フェスティバルの「運転手さん」。今年7月には「AKB48」の巨大顔ハメ看板が、都内CDショップなどにお目見えした。こうした貴重なチャンスは逃すわけにはいかない。

 思わず首をかしげたくなる“理解不能系”もお気に入り。

 「先日、富山市のファミリーパークで、“ガイコツ親子”の顔ハメを見つけまして。なぜガイコツでしかも親子なのか……。しばし考えてしまいました。顔をハメると違和感がある看板もわりと好きですね。やたら写実的な牡蠣とか、郵便ポストとか」

 ふだんは撮影専門だが、「これは」というものに出会うと、自分の顔をハメることもある。たとえば、青森県の十和田湖畔にある“乙女の像”。高村光太郎作の裸婦像を模したものだが、「本物を上回る生々しさに圧倒され、つい顔を入れてしまった」のだそう。

 顔ハメ看板を訪ね歩き、北から南まで旅を続けて7年。発見した数はすでに970枚に及ぶ。ここ近年の巡礼スタイルはもっぱらひとり旅だ。

 「最北端の顔ハメ看板は宗谷岬で発見。最南端は、沖縄の西表島近くにある由布島。ところが、最近の情報で、じつはもっと南、波照間島にあることが判明しました。誰か一緒に行ってくれる人でもいれば、すぐ飛んでいきたいですね。ハハ」

 これまでにかけたコストは、およそ“外車1台分”。車のガソリン代、高速代、その他交通費など。もちろん宿泊費も含む。「1000万円はいってない…いや、やっぱりいってるかな」。大の男をここまで虜にする顔ハメ看板。その魅力や恐るべしである。

除幕式の開催や「マイ看板」の要望も
地味ながらブームの顔ハメ

 顔ハメ看板は、あちこちで静かなブームを呼んでいるらしい。

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西川敦子 [フリーライター]

1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。西川氏の連載「『うつ』のち、晴れ」「働く男女の『取扱説明書』」「『婚迷時代』の男たち」は、ダイヤモンド・オンラインで人気連載に。


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