〈おおらかな沖縄の母親・古波蔵(こはぐら)勝子役を演じたNHK朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」は、シリーズ第4弾まで続く人気作となり、田中好子の代表作にもなった〉
「ちゅらさん」の出演者は、プライベートでもとても仲がいいんです。国仲涼子ちゃんのことは、役名と同様の「えりぃ」、堺正章さんのことは、「文(ぶん)ちゃん」って呼んでますし、私も「勝子」とか「お母さん」って呼ばれています。プライベートでも役名で呼び合うなんて、なかなかないことですよ。
撮影が終わった今でも、涼子ちゃんとはとても仲良しで、一緒に韓国に行ったり、鍋パーティーをしたりと、何かと会ってます。堺さんとも、メールなんかで、連絡を取り合ってます。メールでも、タイトルは、「勝子へ」なんですよね(笑)。
〈「家なき子」「神様、もう少しだけ」といった人気ドラマに代表されるように、いつも明るく温かく子どもを見守る“理想の母親役”が定着している〉
自分が病気だったり、子供が病気だったり、何か、つらさを抱えているけれど、それでも、明るく前向きに乗り越えていく、そんなお母さん役が多いですね。ステキなお母さん役をやらせていただくと、そのセリフや行動から、私自身も影響を受けたり、忘れていたものを思いだしたりするんです。
私の夫(実業家の小達一雄氏)は夏目雅子ちゃんの兄なんです。結婚は雅子ちゃんが亡くなってからなのですが、結果的に私は、弟だけでなく、義妹も病気で亡くすことになるんです。雅子ちゃんの病気のことは、本人にさえ知らされていなかったことですから、私も知りませんでした。ですから、亡くなったときは、本当にショックでした。
私が、困難を抱えた役をいただくことが多いのは、大切な人を亡くしているからかな、なんて思ったりするんですよ。うまく説明できないんですけど、経験しているからこそ、そんな役に引き合わせてもらっているのかなと思うんです。
私は、メッセージ性の強い役を演じるために女優になったのだと思います。それが、神から与えられた使命なのかなと思うんです。=おわり
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ZAKZAK 2007/04/20