2011年4月28日19時10分
細川律夫厚生労働相は28日の閣議後会見で、福島第一原子力発電所で働く作業員の年間被曝(ひばく)線量の規制の運用を緩めると発表した。これまでは被曝線量の累計が1年で50ミリシーベルトを超えた作業員は、福島第一での仕事が終わった後は一定期間、他の原発で働けなかったが、例外として作業を続けられるようにする。
年間被曝線量は毎年4月1日に「ゼロ」にリセットされる。従来は例えば、他の原発から福島第一に来た作業員が計50ミリシーベルト以上被曝すると、次の4月1日まではもとの原発に戻っても作業できなかった。今回はこの規制を、福島第一での被曝に限り適用しないことにした。
ただ、これとは別に5年間の被曝線量が累計100ミリシーベルトに達すると最長5年間作業できない規制もあり、こちらは維持する。
福島第一原発には全国から作業員が応援に入っており、経済産業省などが作業員の雇用確保を理由に上限の緩和を要求していた。細川厚労相は「規制自体は変えないが、労働者の健康への影響を考慮しながら、何らかの弾力的な運用が行えないか検討した」と説明した。