県立五條病院(五條市)、町立大淀病院(大淀町)、国保吉野病院(吉野町)の機能再編などを協議する「南和の医療等に関する協議会」の第4回会合が28日、下市町の下市観光文化センターであった。救急病院を新たに14年4月、大淀町内に開くことを決めた。
3病院はいずれも救急病院で、入院・外来患者の減少などで経営が悪化。このため、県と五條市、吉野郡の11町村で11月に一部事務組合を設立。現在の3病院を再編し、救急病院(250床)を1カ所にし、残る2病院は療養型の地域医療センター(90床)にすることを決めていた。
この日の会合では、2月の第3回会合で提示されていた救急病院の整備場所を協議。大淀町福神地区に新病院を建設する案と、県立五條病院を建て替える案のうち、協議会会長の荒井正吾知事が交通アクセスやコスト面、開業時期などから大淀案を支持。これに対し、太田好紀・五條市長が「県立五條病院を再利用してもらいたい」と五條案を推したが、「南和全域の医療を考えれば大淀町に設けるほうがいい」とする意見が多数を占め、大淀案に決定した。
事業費は130億円で、救急病院整備費117億円▽県立五條病院改修費8億5000万円▽国保吉野病院改修費5000万円--など。【阿部亮介】
毎日新聞 2011年4月29日 地方版