「朝鮮王室儀軌」引き渡しに奔走した韓日の主役たち(下)
慧門僧侶と笠井亮議員
慧門僧侶は「李明博(イ・ミョンバク)大統領が来月21、22日に、韓中日首脳会談に出席するため東京を訪問する際、象徴的に儀軌1冊を直接受け取り、持ち帰ってはどうか」と提案し、続けて「儀軌の返還が完了した後、東京国立博物館に所蔵されている高宗のかぶとと着衣の返還運動に再び乗り出す」との意志を語った。
■日本の議員を説得した笠井議員
「今回返還されるものは、朝鮮総督府が搬出した図書として日本政府が確認したものが対象となっている。日本政府が(総督府が搬出した図書かどうかを)追加で確認した場合には当然、返還しなければならない」
共産党の笠井亮衆院議員(58)は、07年から日本の国会議員に対する説得活動を繰り広げてきた。数回にわたって韓国に足を運び、明成皇后(日本での呼称:閔妃〈びんぴ〉)の暗殺現場まで視察し、07年には宮内庁に保管されている朝鮮王室儀軌を自ら調査した。「その時に見た朝鮮王室儀軌には、総督府が日本に持ち出したという印が押されていた」と語った。
朝鮮王室儀軌が持ち出されたのは1922年。日本共産党創立の年でもある。笠井議員は「帝国主義戦争と植民地支配に反対して結成されたわが党が、儀軌返還の主役になろうと決心した。違法搬出文化財の返還を求めたユネスコ条約の精神にのっとり、韓国の文化財は韓国にあってこそ、より一層光り輝く」と語った。協定から除外された民間文化財については「自発的返還の動きが高まると期待している」と述べた。さらに笠井議員は「日本と韓国は文化的・経済的に家族のような存在。侵略と植民地問題について、日本が反省してこそ、新たな関係に発展させることができる」と述べた。笠井議員は東京大学経済学科を卒業した後、参議院を経て、現在は衆議院議員2期目を務める、「野党外交」を主導する人物だ。
許允僖(ホ・ユンヒ)記者
東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員