東京電力福島第一原子力発電所の事故で、水や野菜などから放射性物質が検出され、安全性に対する関心が高まっていることから、放射線の安全利用を研究している専門家の学会が身近な材料で放射性物質を除去する方法を検討して公表することになり、まず、水の浄化について中間報告をまとめました。
報告をまとめたのは日本放射線安全管理学会で、専門の委員会を設置して水や野菜、それに土壌など6つの項目について身近な材料で簡単に放射性物質を除去する方法を検討しました。このうち、水については、放射性物質を含む雨水を使って家庭にもある身近な材料がどの程度、放射性物質を吸着するか、実験しました。その結果、活性炭を使った市販のポット型の浄水器では最大で▽放射性ヨウ素の98%▽放射性セシウムの93%が除去でき、繰り返し浄化すると効果が高まったということです。学会では、今回の結果を中間報告としてホームページに掲載し、今後の課題として、浄水場ですでに処理された水道水ではどのような方法が効果的か検討することなどを挙げています。委員会の委員長で名古屋大学の西澤邦秀名誉教授は「専門家の学会として市民の不安を何とか取り除きたいと結果を公表することにした」と話しています。学会では、今後、野菜や土壌についても結果がまとまりしだい、公表していくことにしています。