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共同通信記事掲載の地方紙、名誉毀損訴訟で逆転勝訴

2011年4月29日4時1分

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 東京女子医大病院(東京都新宿区)に勤務していた医師が、共同通信社配信の誤った記事をそのまま掲載されて名誉を傷つけられたとして地方紙3社に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(金築誠志裁判長)は28日、医師側の上告を棄却する判決を言い渡した。地方紙側の逆転勝訴が確定した。

 第一小法廷は「通信社と加盟社の間で取材から掲載までの一連の過程に一体性がある場合、その記事が真実だと信じる相当の理由が通信社にあれば、加盟社も責任を負わない」と判断した。地方新聞社は加盟社として共同通信社の経営に参画していることなどから一体性があると結論づけた。

 医師は2001年に当時12歳の女児が同病院での心臓手術後に死亡した事件で業務上過失致死罪に問われたが、一、二審とも無罪判決を受けて確定している。

 問題の記事は、共同通信社が02年7月に配信した医療ミスに関する記事。医師は名誉毀損(きそん)にあたるとして、ネット上に記事を掲載した同社と、紙面に掲載した上毛新聞社(前橋市)、静岡新聞社(静岡市)、秋田魁新報社(秋田市)に賠償を求めていた。

 一審・東京地裁は07年9月、共同通信社については、大学側の調査報告書などに基づいて報じたことなどを理由に賠償責任はないとした。一方で、地方紙3社に対しては「通信社の配信という理由だけで、記事が真実だと信じる理由があったとはいえない」として、計385万円の賠償責任を認めた。

 二審・東京高裁は09年7月、一審に続いて共同通信社の責任を否定。さらに、配信記事に名誉毀損が成立しなければ、掲載した地方紙も賠償責任を負わないと判断したため、医師側が上告していた。共同通信社に対する上告はすでに受理しない決定が出ており、同社の勝訴が確定している。

 この日の判決を受け、共同通信社の河原仁志・編集局次長は「記事を配信した通信社に責任がなければ、掲載した新聞社も責任を負わないとする妥当な判断が最高裁でも維持され、高く評価できる」との談話を出した。

 通信社からの配信記事をめぐっては、いわゆる「ロス疑惑」の名誉毀損訴訟で、最高裁第三小法廷が02年1月、「私人犯罪やスキャンダル報道」の分野に限り、「信頼ある通信社の記事という理由だけでは、掲載社の賠償責任は免れない」との判断を示している。(山本亮介)

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