広島市長選で当選を決めた松井一実さんは10日夜、報道各社の共同インタビューや毎日新聞の単独取材に対し、市政運営への抱負などを語った。主なやり取りは次の通り。
--秋葉市政からの転換とは?
◆秋葉市政の私の評価は、多くの方々の意見や要望などをしっかりと受け止めたか、という点が最大のポイント。皆さんの意見を十分聞いてしっかりと調整する、それが市長の基本的で重大な役割と思っている。それについて足りない部分をしっかりやっていくことを、私は「転換」と言っている。
--五輪招致は?
◆広島でやれたらいいが、20年招致は断念する。実現可能な計画と思えなかった。20年以後も現段階では白紙。市民からやりたいという声が出れば考えるが、自分からどうこうしろとは言わない。
--広島市長のリーダーシップとは?
◆私が取り仕切るという意味でのリーダーではない。今までの市政は、多くの方々の望む方向を顕在化させていなかった。決め打ち的にやられていた要素があったのではないか。もう少し熟議し、市民と対話していきたい。
--平和行政は?
◆核問題については、国がやる外交交渉が相当ある。広島はそこまで関与できないが、この世から核爆弾を無くすという訴えは続ける。同時に自分たちの生活の中で、本当に平和を実感するための行政が必要ではないか。
--副市長人事は?
◆副市長の役割を見定めて考えたい。部局ごとの限界を超えてでもできる方を入れて、市長を支える構成にすれば雰囲気が変わる。
--県と市の連携については?
◆日本の地域行政の在り方が変わるのは間違いない。県政との役割分担を明確にしないと、市政が中途半端になると思っている。
毎日新聞 2011年4月11日 地方版