「WBA世界バンタム級タイトルマッチ」(5月7日、大阪府立体育会館)
王者・亀田興毅(亀田)が、「パッキャオ魂」で初防衛を果たす。28日、東京・葛飾区の亀田ジムで公開スパーリングを行い、世界6階級制覇のマニー・パッキャオ(32)=フィリピン=をイメージした戦略を取ると明かした。175センチという長身の挑戦者・ディアス(ニカラグア)に対して、スピードと手数で対応し、9センチの身長差を埋める。中盤から終盤のKOを想定し、地元大阪で初の世界戦をKO勝利で飾る。
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頭の中で、すでにイメージは出来上がっている。興毅が参考とするのは、昨年11月のパッキャオ‐アントニオ・マルガリート(メキシコ)戦だ。サウスポーのパッキャオが、長身のマルガリートをスピードと手数で圧倒し、判定で勝利した。この試合こそが、今回理想とする展開だ。
挑戦者は175センチで、興毅よりも9センチ高い。どのように懐に飛び込むかがカギとなる。「スピードでいく。相手はバンタム級よりも上の階級でやっていたし、パワーがある。スピードで対抗する」。持ち前の速さで揺さぶる作戦だ。
パッキャオ‐マルガリート戦のビデオを繰り返し見て、頭の中にすり込んだ。5度の世界戦でKO勝利がなく、KOへのこだわりは強い。中盤までボディー中心に攻め、スタミナを奪ったところで終盤KOの青写真を描いている。
くしくも同じ5月7日(日本時間8日)にパッキャオは、米ラスベガスでシェーン・モズリー(米国)を迎えてWBO世界ウエルター級王座の防衛戦を行う。時差はあるものの、偉大な王者との“競演”に「俺も頑張らなアカン。パッキャオは勝つやろうから、俺も勝たなアカンわ」と必勝を誓った。
110ラウンドのスパーリングを消化し、最終的には120ラウンドを設定している。1カ月間で行ったスパーリングとしては過去最多となる。「コンディションはいい。今週いっぱいスパーリングして、あとは体重を落とすだけ」と王者の風格を漂わせた。
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