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【プロ野球】沢村 伝説の地・草薙で初黒星2011年4月29日 紙面から
◆ヤクルト4−0巨人伝説を継ぐにはまだ早い。連敗ストップを託された巨人のルーキー沢村拓一投手(22)=中大=がボークあり、悪送球あり、初被弾ありの4失点でプロ初黒星。1934年11月20日に草薙で開かれた日米野球で故・沢村栄治氏が演じた快投の再現は失敗に終わり、チームも今季初の同一カード3連敗で2年ぶりの借金2となった。 自分に対するふがいなさが最高潮に達した。3度目の先発は8イニング途中で降板。沢村は取材陣の質問を拒み、何を聞かれても「次、頑張ります」と繰り返し、ぶぜんとした表情で足早に帰りのバスに乗り込んだ。 “サワムラ”の草薙再来。今回の静岡シリーズで最多の1万8552人がつめかけた。77年前のサワムラは当時17歳。ベーブ・ルースやルー・ゲーリッグらを擁した米国選抜に1人で立ち向かい、先発して8イニングを1失点完投。試合は0−1で敗れたものの、快速球で9三振を奪い、ルースに「沢村を大リーグに連れて帰りたい」と言わしめた快投だった。 しかし、平成のサワムラを待っていたのは厳しい試練。2回はボーク、5回は自らの失策がからんで、それぞれ失点。6回には、前日2本塁打したバレンティンに不用意な真ん中のカーブを左翼席に運ばれた。77年前と同じく完投を託された8回も失点し、イニング途中で降板した。 「若武者らしく良いところも出たけど、投手として繊細さが少し必要だと勉強になったのではないか」と原監督。川口投手総合コーチも「沢村で勝ちたかったのは本音だけどね。完投してほしかった」と首をひねった。これも、天国の大先輩・栄治氏が与えてくれた大投手になるための試練と思うしかない。 (井上学) PR情報
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