2009-09-18 13:14:29

東北アジア歴史財団の新理事長

テーマ:ソウル

第2回日韓次世代交流映画祭朝9時半、鄭在貞・ソウル市立大学大学院長の携帯に電話を入れた。昨年の日韓次世代交流映画祭のパネラーとして招待した歴史学者である。この6,7年、ソウルに行くと必ず連絡を取っている。尊敬する友人である。

大学教育でもお世話になっている。この夏休み、大分県立芸術文化短大の学生8人がソウル市立大学に短期留学(3週間)して、韓国語を勉強した。2年前から鄭先生の肝いりで始まった「サマースクール」だ。今年は特に日本人学生1人に韓国人学生1人の補助員がつく「バディー」(仲間)制度が始まった。効果は抜群で、3週間の体験をしたためた女子学生の手記が、毎日新聞大分版(17日)に掲載された。このブログですでに紹介した学生Kさんの文章である。

「新聞を持ってきたので、大学に郵送しておきます」と電話口で言うと、思わぬ返事が返ってきた。

「実は、東北アジア歴史財団の理事長になったんです。午前10時から就任式です」と言う。エッ? 驚くしかない。「東北アジア歴史財団」と言えば、歴史問題の紛糾に際して韓国政府の見解を示す権威ある国策機関だ。そのトップと言うことは、韓国政府の「歴史認識」のシンクタンクであり総元締めに、鄭さんが就任したということになるのだ。

これまで日韓歴史共同研究の韓国側幹事長を務めるなど、日韓関係で大きな役割を果たしてきた人だ。バランスの取れた歴史感覚があり、「この人なら歴史対話が可能だ」と思ってきた。金容徳・ソウル大名誉教授に継ぐ2代目の理事長。心からその就任を喜びたい。タクシーを飛ばして財団に向かう。着いたときには、ちょうど就任式が始まっていた。

「歴史紛争と領土問題を防止し、東アジアの歴史認識と相互理解の増進、共同繁栄に力を傾注したい」。就任の辞は堂に入っていた。

就任式後は直ちに幹部職員との初会議だということで、「後で連絡します」と言い、持参した新聞だけを手渡して、いったん帰ることにした。

第2回日韓次世代交流映画祭
エレベーターの前で待っていると「以前、お目にかかったことがあります」ときれいな日本語で話しかけてきた若い女性がいる。話を聞いてみると、3年ほど前、福岡と釜山を結ぶJRの高速船「ビートル」の博多港事務所で働いていた韓国人キム・インソンさんだった。縁とは不思議なものだ。長年の知人の晴れの日に、若い女性に再会する。キムさんは日本語の実力を活かして、この財団で働いている。

若い韓国人が日本での生活体験を踏まえて、母国で重要な役割を果たす政府関連機関で働く。素晴らしいことだ。

理事長と職員。2人の今後の発展を祈りたい。

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