|
きょうのコラム「時鐘」 2011年4月29日
戦後最大の災害、戦時の空襲に匹敵するとも言われる震災。戦後復興を思わせる状況から「災後」「災中」との言葉も登場した
その復旧に汗を流す中で「昭和の日」を迎えた。東北の新聞はいまだ「災中」の混乱と被災者の奮闘を伝えているのに対し、東京のマスコミは「災後復興」を伝えている。その落差をなげく人もいる。どの言葉も、平穏な日々が続くことの難しさを言っている 昭和は戦前と戦後のふたつの顔を持っていた。戦後復興には約20年の、戦前に匹敵する時間を要した。平成も23年の歳月が流れた時に震災にあった。安定した時間が続くのは、ほぼ20年しかないことを身近な歴史は示している 政治も経済も教育も、20年先は近くでもないが、それほど遠い未来の話でもない。復興とは単に国の姿を元に戻すのでなく、日本全体の大改造に結びつけると言うのなら、20年先を見据えた政策がいるように思う 「昭和の日」が、いま新しい役割を与えられている。戦後の復興を支えたのは明治・大正世代だった。平成の「災後」を支えるのは昭和40、50年代うまれの世代だ。頼むぞ!20年後の日本を。 |