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聴取中に暴言 警官に求刑上回る罰金30万円 大阪地裁

2011年4月28日23時3分

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 任意聴取した会社員に自白を迫り、否認されて暴言を浴びせたとして、脅迫罪に問われた大阪府警東署警部補の高橋和也被告(35)=減給処分=の判決が28日、大阪地裁であった。岩倉広修(ひろみち)裁判長は「冤罪(えんざい)の温床となる取り調べで到底許されない」と述べ、罰金20万円の求刑を上回る同30万円を言い渡した。検察側の求刑を超えた判決は異例。

 判決によると、高橋被告は昨年9月、女性が府内で落とした財布を着服したとする遺失物等横領容疑で岡本和真被告(35)=窃盗罪などで起訴=を車内や東署(大阪市中央区)の取調室で聴取。その際、「人生むちゃくちゃにしたる」「手出さへんと思ったら大間違いやぞ」などと脅した。

 判決は、取調室という密室で脅迫された岡本被告の精神的苦痛は大きく、警察の捜査への信頼も損なわれたと指摘。「被告の刑事責任は軽視できず、懲役刑の選択も考えられる事案」と述べ、当時の取り調べのあり方を厳しく批判した。

 そのうえで2年以下の懲役または30万円以下の罰金とした脅迫罪の法定刑を踏まえ、量刑を検討。「府警に違法な取り調べを起こさせない監視体制が構築されておらず、内部に事件を誘発した一因もある」「被告は反省しており、懲役刑を選択すると(地方公務員法に基づき)失職する」などと述べ、罰金額は法定刑の上限とするのが相当だと判断した。

 暴言を受けた岡本被告をめぐっては、勤め先のパソコンを盗んだとして起訴された先月、財布を落とした女性に面会を強要するメールを送ったとして強要未遂罪で追起訴された。全面無罪を主張し、公判は始まっていない。(平賀拓哉)

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