画面から放つ言葉の誘惑…ネットならではの記事見出し
2011.1.19 07:00 (1/2ページ)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110119/trd11011907000045-n1.htm
大学生だった十数年前。電話線をパソコンに装着し、「ピーゴロゴロ…」と音をたてながらインターネットに接続していたころ、新聞社のウェブサイトといえば新聞紙面に出ていたニュースが遅ればせながら掲載されていた。回線速度は遅く、目の前にあった大学の図書館で新聞を開いた方が素早く、多くのニュースを読めた。
あれから10年。ニュースは新聞が家に届く前どころか、刷り上がる前にウェブサイトに掲載される。紙面に原稿を載せたくて記者になったが、今では紙面には載らないウェブサイト限定の記事を書くこともある。
原稿の書き方は、紙面とウェブサイトで大きく変わることはない。ニュース価値に応じたボリュームを念頭に置きながらニュースは何か、つまり「見出し」は何かを考えながらパソコンのキーを叩く。ただ、ウェブサイトに掲載されることを考えると、「見出し」に対する意識をより一層強く持つようになったと感じる。
紙面でも見出しは重要だ。作り手としてはすべての記事を読んでほしい。だからといって、すべての記事の見出しを派手にしても、逆に一つ一つが目立たなくなってしまう。
日々、紙面では同じ面に載せる記事のニュース価値を比較しながら、文字の大小や装飾で見出しに強弱をつける。紙面にメリハリが生まれ、不思議と小さなニュースにも目が届く。一方でウェブサイトの見出しのスタイルは画一的。文字の大きさや色を変えることはできるが、紙面のようなメリハリはない。
基本的にウェブサイトは古いニュースが消えず、どんどん蓄積されていく。掲載されているニュース量は紙面より多いだろう。無数にある記事の中でいかに自分が書いた記事を目立たせ、読んでもらえるかは見出しの「文言」そのものにかかってくる。
記者側は「仮見出し」として編集者に見出しの文言を提案しているのだが、ついつい読者の野次馬心をくすぐるような、「思わせぶり」な文言を並べたくなる誘惑にかられる。現に私も芸能人の「熱愛」といった見出しを見つけるとついついクリックしてしまう。ところが、記事を読むと期待していた内容ではなく、「なーんだ、そういうことか」と腑に落ちないこともある。
大事なのは記事の中身。思わせぶりな文言に関心を持った読者が「なるほど」と納得してもらえる、見出しとの釣り合いが取れた記事を書きたい。ニュースが氾濫(はんらん)するウェブサイトだからこそ、紙面以上に記事の質が問われていると感じる。
(産経新聞社会部 渡部圭介
ちょっとおかしい車ナンバー…滋賀はゲジゲジ、意味不明の愛媛
2010.12.12 19:00 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110113/lcl11011310390017-n1.htm
車のナンバープレートに記載される地域名で、「滋賀」という字に違和感を覚えます。特に「滋」は略しすぎてはいないか。私の車を壊したことがある滋賀県出身の後輩記者に聞くと「ゲジゲジナンバーをバカにする原稿でも書くんですか。暇そうっすね」と怒られた。バカにはしないし暇ではないが、ゲジゲジという表現は的を射ている。
国土交通省近畿運輸局に聞くと、ナンバープレートの製作は看板業者などに委託されている。文字は大きさや線の太さは規定があるものの、書体は業者の裁量だとか。「規定では地域名は2字の場合、1字につき4センチ四方。画数が多い漢字はつぶれて読み取れなくなるので、あの字になったと考えられます」
ちなみに、愛媛ナンバーはもっと不思議な字。2字がそろうと読み取れなくもないが、それぞれの字を単体で見ると「?」となる。
四国運輸局さん、変ですよ。「プレス技術やプレートの材質の問題で、昔は字の細かい部分が正確にプレスできなかったようで、それがずっと受け継がれたものだと考えられます」
しかし、県内の教育関係者などから「世に存在しない字を使うのはいかがなものか」と指摘され、平成15年から交付しているプレートは普通の「愛媛」になっているという。
同運輸局の担当者は「変な字ですが、愛着を持っている人もいるんですよね」とつぶやき、ちょっと名残惜しそう。消えるのを惜しむなら、ゲジゲジの「滋」の常用漢字登録を目指すしかないようです。(文・渡部圭介 33)
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35歳以下の記者で取材・執筆しています。当<生活“不”必需品情報館>では、日常生活の素朴なギモンを調べます。
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