先月の巨大地震で、東北の太平洋沿岸を中心に各地で地盤沈下が確認されています。国土交通省がレーザーを使って上空から詳細に測量した結果、宮城県の仙台平野では、海抜0メートル以下の地域が地震前の5倍余りに広がり、高潮などによる災害の危険性が高まっていることが分かりました。
国土交通省は、地震による地盤沈下の状況を詳しく調べるため、レーザーで地面の数センチの変化を捉える特殊なカメラを搭載した航空機で被災地の測量を進めていて、今回初めて仙台平野の結果がまとまりました。結果を示した地図では、海抜0メートル以下の地域が青色で示されていて、地震の前には仙台市若林区や名取市などの一部で3平方キロしかなかった海抜0メートル以下の地域が、地震のあとには16平方キロと5倍余りに広がっていたことが分かりました。中でも、岩沼市や亘理町では、これまでほとんどなかった海抜0メートル以下の地域が沿岸部の広い範囲で確認されました。また、地図には、大潮の満潮時の海面と同じ高さになった地域も緑色で示され、面積は地震前の32平方キロから56平方キロに増え、名取市や岩沼市では、海岸からおよそ5キロの地点まで広がっている所もありました。さらに、昭和55年に、過去最も高い潮位を観測し、沿岸部の住宅が浸水したときの海面と同じ高さになった地域も黄色で示され、地震前の83平方キロから111平方キロに広がっていることが分かりました。これらの地域では、川や海岸の堤防も大きく壊れていることから、国土交通省は、高潮や台風などによる二次災害の危険性が高まっているとして、自治体や住民に注意を呼びかけるとともに、壊れた堤防の周辺に土のうを積む対策を進めています。国土交通省は、ほかの被災地でも測量を行っていて、結果がまとまりしだい、公表していくことにしています。