国際【から(韓)くに便り】ソウル支局長・黒田勝弘 「迷惑をかけない」日本人+(1/2ページ)(2011.4.28 03:27

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【から(韓)くに便り】
ソウル支局長・黒田勝弘 「迷惑をかけない」日本人

2011.4.28 03:27 (1/2ページ)

 日本での大震災に際し、被災者たちの冷静で秩序ある姿が国際社会であらためて関心の対象になり、称賛された。阪神・淡路大震災の時もそうだった。とくに韓国人たちは、日本に近く、姿かたちもよく似ているためことさら「われわれと違って日本人はなぜ?」と思う。

 現地取材のある韓国人記者は「日本人はガマンせずもっと悲しんではどうか…」と書いていた。韓国人にとって激しく悲しまない日本人は、もどかしく、じれったく、歯がゆいのだ。

 事故、事件を含め災難や悲劇に際しての韓国人の嘆き悲しみ方はことのほか激しい。とくに家族の死にはあたりかまわず感情を爆発させ時には失神さえする。関係者など相手があるときは決まって食ってかかり、つかみかかり、もみ合いになる。

 「冷静な被災者」をめぐって韓国では、メディアはもちろん街の声を含めあらためて“日本人論”が盛んに語られた。筆者もたくさん問いかけられた。

 とりあえずは「韓国と違って日本は自然災害が多い。これは人間の力ではどうすることもできない。誰の責任でもないし、誰かを非難するわけにもいかない。ひたすらガマンし、耐えるしかない。日本人の災難観にはあきらめ、つまり“諦念”がある」などと答えたのだが、これでよかったかどうか。

 韓国人を感心させた例のひとつに、何日かたって救助されたおばあさんの第一声だった「ご迷惑をおかけしてすみません」がある。命からがら助けられても「すみません」という他者への配慮が、いかにも日本人的であり、日本人の“美徳”として話題になった。

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