(cache) 東電、被ばく線量記録せず 後から行動聞き取り推計  - 47NEWS(よんななニュース)
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  • 東電、被ばく線量記録せず 後から行動聞き取り推計 


     福島第1原発の免震重要棟の出入り口にある管理スペース=3月31日(東京電力提供)

     福島第1原発事故の対策拠点で作業員が寝泊まりもしている「免震重要棟」という建物に滞在中に浴びた放射線量について、東京電力は個人の線量を毎日は記録していなかったことが28日、分かった。

     3月11日の地震後、緊急的作業が一段落してから被ばく線量を検討し、第1原発にいた女性19人は3月23日までに全員退避させた。この中には、主に免震重要棟で作業していた放射線業務従事者ではない4人が含まれ、一般人の限度である年間1ミリシーベルトを超える被ばくをした恐れが強い。

     それぞれの被ばく線量は23日以降に、行動を聞き取りさかのぼって推計しており、東電のずさんな被ばく管理に批判が強まりそうだ。

     東電によると、屋外の現場作業などをする場合は線量計を持参し、被ばく線量を毎日、台帳などに記録して管理している。だが、免震重要棟内では時間当たりの放射線量を記録していただけで、線量計を身につけていなかったという。

     3月23日以降、退避した女性も含め棟内にいた社員らに滞在時間を聞き取り、23日以前の被ばく線量を計算した。

     棟内では事故後、高い線量が続き、水素爆発などが起きた直後には、毎時100マイクロシーベルト(0・1ミリシーベルト)を超えたこともあったという。4月26日現在の線量は毎時1・5~3マイクロシーベルト。

     19人のうち放射線業務従事者の女性社員が、女性の限度の3倍以上の17・55ミリシーベルトを被ばくした。主に放射性物質の吸い込みによる内部被ばくの管理が不十分だったことが要因と判明。この女性の免震重要棟滞在中の外部被ばく線量は1・89ミリシーベルトとされている。

      【共同通信】