東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 速報ニュース一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

東電、被ばく線量を推計 記録せず聞き取り

2011年4月28日 10時34分

 福島第1原発事故の対策拠点で作業員が寝泊まりもしている「免震重要棟」という建物に滞在中に浴びた放射線量について、東京電力は個人の線量を毎日は記録せず、後から行動を聞き取って推計していたことが28日、分かった。

 3月11日の地震後、緊急的作業が一段落してから被ばく線量を評価し、第1原発にいた女性19人は3月23日までに全員退避させた。この中には、主に免震重要棟で作業していた放射線業務従事者ではない4人が含まれ、一般人の限度である年間1ミリシーベルトを超える被ばくをした恐れが強い。東電のずさんな被ばく管理に批判が強まりそうだ。

 東電によると、免震重要棟内では、時間当たりの放射線量を記録していただけ。3月23日以降、男性も含め、棟内に滞在していた時間を聞き取り、滞在中の被ばく線量を計算した。

 棟内では事故後、高い線量が続き、水素爆発などが起きた直後には、毎時100マイクロシーベルト(0・1ミリシーベルト)を超えたこともあったという。4月26日現在の線量は毎時1・5〜3マイクロシーベルト。

 屋外の現場作業などをする場合は線量計を持参し、被ばく線量を毎日、台帳などに記録して管理しているが、棟内にいる人は線量計を身につけていなかったという。

 第1原発では、放射線業務従事者の女性社員が、女性の限度の3倍以上の17・55ミリシーベルトを被ばくした。主に放射性物質の吸い込みによる内部被ばくの管理が不十分だったことが要因と判明。この女性の免震重要棟滞在中の外部被ばく線量は1・89ミリシーベルトとされている。

(共同)
 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo