2011年4月27日23時22分
大阪府の橋下徹知事は27日の記者会見で、節電や代替エネルギーを導入する政策を進めることで、関西で使う電力を供給する原子力発電所の「新規建設や、(老朽化した原発の)延長計画を止めにかかる」と表明した。今秋にも具体的な方策をまとめる。28日に7府県の知事らが出席して開かれる関西広域連合委員会の場で、他の府県にも賛同を呼びかけるという。
橋下氏は、原発の新規建設・延長の停止を「当面の目標」とする考えを示し、「府民運動を起こしたい。節電や代替エネルギーで、原発1基分はいけるのではないか」と述べた。
府によると、関西に電力を供給する増設予定の原発は、日本原子力発電の敦賀原発3号機、同4号機(福井県敦賀市)の2基。1970年に運転を始めた関西電力の美浜原発1号機(同県美浜町)も後継機の建設が検討されている。
橋下氏は、不足する電力を節電や太陽光発電など代替エネルギーでまかなうための具体策の検討を、府の各部局に指示した。
ただ「産業の衰退や都市の魅力低下につながることはしない」とし、節電の対象としてパソコンの消費電力削減や自販機の一時停止、電気料金の設定の変更などを例示。電力が不足している東日本での節電策も参考にするとしている。
橋下氏には他県に立地する原発計画を変える権限はないが、新規建設が不要となるような代替案を示せば「関電も原発を新設しなくてもよいと考えるのではないか」と期待を示した。
また橋下氏は原発を「ある意味で必要悪」とし、今回表明した考えは原発への依存から抜け出す第一歩、と位置づけた。原発依存の脱却と自然エネルギー転換を進める財団の設立を表明したソフトバンクの孫正義社長と26日に東京で会い、賛同を得たという。