大きなジェスチャーで阿部(左)、闘莉王(右)ら選手たちに指示するストイコビッチ監督=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(46)は27日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターでの練習前、室内で約45分間のロングミーティングを敢行。直後に入念なフォーメーション練習を行い、24日の浦和戦(埼玉)で0−3と完敗したチームに喝を入れた。29日の川崎戦(瑞穂陸)に向けて巻き返しを図った。
浦和戦の映像を見ながら進めたミーティングは1時間近くに及んだ。それでも言い尽くせなかったストイコビッチ監督は、屋外でのフォーメーション練習にスパイクを履いて臨んだ。「GKにボールが渡ったらすぐにサイドバックは開け」−。具体的な指示を与えると同時に、何度も笛を吹き鳴らして選手たちの動きを止めた。そして、自らボールを要求して動いて見せた。
「攻撃、守備ともに悪くて私のチームじゃないみたいだった」と振り返った浦和戦。ハーフタイムには、イージーミスの目立った選手たちに雷を落とした。翌日の青空ミーティングでは、ベンチ外の選手にもミス撲滅を徹底した。それでも、胸の内にくすぶる憤りは晴れなかったようだ。
昨年5月5日の浦和戦(埼玉)で逆転負けを喫した直後には90分間のミーティングを敢行し、クラブハウス内に怒声を響き渡らせた。この日のミーティングでは室外に漏れ聞こえる声は少なかった。「ミスがいけないと言っているんじゃない」と感情が高ぶることもあった。しかし、口調の穏やかさは、同じミスの繰り返しを許さない厳しさを含んでいた。
選手たちも監督の言葉は心に刻んでいる。MF藤本は「長いミーティングをするのも妥当だと思う」と受け止めた。DF闘莉王は「昨年もうまくいくときばかりじゃなかった。次の試合はすぐだから」と切り替えた。DF阿部は「いいリズムは待つのではなく、自分たちで取り戻さないといけない」と話した。
グランパスは昨季、1度も連敗せずにリーグ初優勝を成し遂げた。指揮官はJ1リーグ戦2試合目にして早くも手綱を締め直した。連覇を目指すチームは自滅なき勝利で一発回答する。 (伊東朋子)
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