2011年4月27日23時42分
韓国で原発がある5自治体の首長が26日、南部の慶州(キョンジュ)市に初めて集まり、原発事故に備えた安全対策の徹底や情報公開を政府に求める意見書を採択した。韓国初の原発で、故障で運転停止している古里(コリ)1号機を抱える釜山市機張(キジャン)郡の郡守(首長)が呼びかけた。
意見書では、設計寿命の30年を超えて古里1号機の運転を延長した際の判断材料となった評価報告書の公開などを政府に求めた。機張郡の呉奎錫(オ・ギュソク)・郡守は「国内の技術者だけでなく、国際機関の点検も受けることで国民は安心できる」と述べた。
ソウルでは同日、今月半ばに福島で調査した市民団体が現地の様子を報告。福島の経験をもとに、原発事故に備えた新たな安全対策づくりを国会に求めていく方針を示した。自宅から約27キロの場所に原発がある慶州環境運動連合の李相洪(イ・サンホン)さん(36)は「福島で目に見えず、においもしない放射能の怖さを感じた。韓国でも事故時の避難対応策をつくり、周辺住民に知らせるべきだ」と話した。(ソウル=中野晃)