地方【ホウレンソウ出荷問題】入荷激減、市場閑散 利用者は動揺…2011.4.27 22:34

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【ホウレンソウ出荷問題】
入荷激減、市場閑散 利用者は動揺…

2011.4.27 22:34

 千葉県匝瑳市の八日市場青果地方卸売市場では27日、入荷する野菜が激減し、事実を知った仲買業者の間に動揺が広がった。市場名を公表した県の対応には「風評被害を広げているだけだ」と批判の声も上がった。

 同市場によると、ホウレンソウを出荷した香取市内の生産者らは、数種類の野菜を少量ずつ出荷し、その中にホウレンソウも含まれていたという。担当者は「普段から市場を利用している農家で、香取市というだけで拒否するわけにはいかなかった」と事情を説明。ホウレンソウの流通先については「相手との関係もあるので公表できない」とした。

 この日は、香取市以外でも出荷を見合わせる生産者が多く、市場は閑散。青果店の男性は「市場に来てから事態を知り愕(がく)然(ぜん)とした。入荷した野菜は普段の半分から3分の1しかなく、競りもうまく進まない状態だ」と話した。

 仲買業者の1人は「ルールを守らない農家がいたのは事実だが、市場名が公表されたことで、安全な野菜を出荷している人も風評被害を受ける。県の対応は無神経だ」と怒る。さらに「千葉の野菜というだけで、いまだに都内の市場では見向きもされない。東北地方の野菜はアンテナショップなどのPRで消費者に受け入れられてきたが、千葉県にはそういった力がないのか」と嘆いた。別の仲買業者の女性は「この市場には、被災しながらも細々と続けている農家や八百屋もいる。このままではつぶれてしまう」と涙を浮かべながら訴えていた。

 匝瑳市選出の宇野裕県議は「原発の影響なのだから、みんなが被害者だ。犯人捜しはやめて、原発事故と風評被害の終息に向けて国や県に働きかけていきたい」と話した。

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