小沢剛腕もはや限界…公明激怒「勝手に名前使うな!」

2011.04.27


菅退陣を求める集会であいさつする鳩山前首相。会場には小沢氏の陰が漂っていた=26日、国会内【拡大】

 民主党内で、小沢一郎元代表の次なる戦略が注目されている。側近議員を中心に26日、菅直人首相の退陣を目指す集会を開いたが、集まったのは約60人と少なかったうえ、連携を模索した公明党には肘鉄を食らわされたのだ。与野党に根強く残る小沢アレルギー。剛腕の限界が近づきつつあるのか。

 「勝手に公明党の名前を使っている。(小沢氏らとは)歩調は合わせていないので心配無用」

 公明党の漆原良夫国対委員長は26日、自民党の逢沢一郎国対委員長との会談でこう語った。

 小沢氏に近い山岡賢次副代表が同日開いた反菅集会「震災に対応できる連立政権に向けた総調和の会」の設立趣意書に「公明党との連携を軸と…」とあったため、これを否定したのだ。民主党と公明党の大連立構想は頓挫したのか。

 自民党も、大震災や原発事故に対応できない菅首相を「もう限界だ」(谷垣禎一総裁)と突き放す一方、「政治とカネ」の問題を抱える小沢氏を支持する勢力が民主党内で台頭することを警戒している。

 総調和の会に集まった国会議員約60人という人数も微妙だ。

 小沢グループは党内最大の約130人とされるが、国会開会中の平日にもかかわらず半分も集まっていない。同会は、菅執行部刷新を求める両院議員総会の開催を求める署名活動を始めたが、開催には党所属国会議員(408人)の3分の1(136人)以上の要請が必要で、約60人に代理出席の70人超を加えてギリギリか。

 両院議員総会で、菅首相の代表解任決議を模索しているが、解任決議に規約上の根拠はない。仮に決議が認められても、可決には「議決権の過半数」である205人以上の賛成が必要で、このハードルは高い。

 このため、小沢氏周辺は「菅首相を引きずり下ろすには、内閣不信任案の可決しかない」と見極めているという。野党提出の内閣不信任案に賛成するケースと、グループ内から不信任案提出という奇策も検討している(25日既報)が、こんな危険もある。

 永田町事情通は「自民党や公明党には、菅首相と同じくらい、小沢氏への嫌悪感、拒否感がある。民主党にも非小沢系は多い。もし、菅内閣の不信任案が可決された場合、『菅抜き』『小沢抜き』の政界再編が起こる可能性がある」という。

 被災地の人々は、こんな永田町の皮算用をどう思うだろうか。

 

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