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「小沢氏側に裏金1億円」場面再現 ゼネコン元社長証言

2011年4月27日11時48分

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 小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件の公判で、中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)の元幹部への証人尋問が27日、東京地裁で始まった。川村尚元社長(53)が出廷し、公共工事受注への謝礼として小沢氏の元秘書で衆院議員の石川知裕被告(37)=政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で起訴=らに、5千万円ずつ2回に分けて計1億円の裏金を渡したと証言した。

 川村元社長は東京地検特捜部の捜査にも同じ内容を供述して調書が作成されており、検察側が今年2月の初公判で冒頭陳述として主張した内容に沿った証言となった。一方の石川議員らは、捜査段階から一貫して裏金の授受を全面的に否定している。

 検察側の質問に答えた川村元社長の証言によると、2004年9月に元秘書の大久保隆規被告(49)=同罪で起訴=と議員会館の事務所で2人きりになった際、小沢氏の地元の「胆沢(いさわ)ダム」(岩手県奥州市)工事を下請け受注するための条件として、「本体工事の(元請け)ゼネコンが決まった後に5千万円、岩石採取工事のゼネコンが決まった後に5千万円を納めて頂きたい」と要求された。その後の同年10月15日に大久保元秘書から代理として指定された石川議員に5千万円を、さらに05年4月中旬に大久保元秘書に5千万円を、それぞれ東京・赤坂のホテルで渡したという。

 石川議員に渡した際には、ロビーのソファで「大久保さんにお渡しください」と言い、「極力目立たないように紙袋をスライドさせた」という。

 川村元社長は小沢氏の事務所について「力が強く、我々下請け業者は施工実績があっても反対されると参入できないと聞いていた。それを阻止するために、事務所の方々に営業活動をした」とも証言。営業の対象は大久保元秘書で、03年11月に事務所を初めて訪れて胆沢ダムの受注を依頼した際には、「同業者よりも(あいさつが)遅い」と怒られたという。その後、お歳暮として松阪牛と現金100万円を渡したり、東京・向島の料亭で4、5回接待したりして関係を築いたという。

 石川議員らは、陸山会が04年10月29日に約3億5千万円で購入した土地について、購入原資となった小沢氏からの借入金4億円を04年分の収支報告書に記載せず、土地代金の支出も05年分にずらして記載したとして起訴された。検察側は、土地購入を実態通りに記載すると、同時期に受け取った裏金との関連が疑われることを恐れて虚偽の記載をしたと、事件の構図を描いている。

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