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陸山会事件:「聴取で記憶戻る」 1億円提供で川村前社長

 小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われた衆院議員、石川知裕被告(37)ら元秘書の公判は27日午後も東京地裁(登石郁朗裁判長)で続いた。弁護側は裏金提供を証言した水谷建設の川村尚前社長(53)を「供述が具体化する経緯が不自然」と追及。前社長は「忘れようとしていたが、聴取を受けて記憶が徐々によみがえった」と反論した。

 川村前社長は同日午前の検察側の尋問に対し、工事受注に関連して元公設第1秘書、大久保隆規被告(49)から1億円を要求され、04年10月に石川議員、05年4月に大久保元秘書に5000万円ずつ渡したと証言した。

 これに対し弁護側は、最初の事情聴取から半年後になって石川議員との面会時間が「午後2時か3時」と特定された点は不自然として「検事の誘導があったのでは」と追及した。前社長は「記憶は掘り下げて少しずつ戻った。検事の誘導はない」と述べた。

 さらに弁護側は「元秘書に1億円を要求され、会社の裏金の全容を把握していなかったのに提供を即答したのは不自然」と証言に疑問を投げかけたが、前社長は「落札業者に入りたい一心で元秘書に『分かりました』と言った。現金はお渡しした」などと説明した。【伊藤直孝】

毎日新聞 2011年4月27日 21時22分

 

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