ゼネコン各社が受注調整していたとされる「胆沢(いさわ)ダム」(岩手県奥州市)建設工事をめぐり、2004年と05年の各工事の入札前の段階で談合情報が国土交通省に寄せられ、情報通りの業者が落札していたことが17日、衆院予算委員会で明らかになった。前原誠司国交相はこの談合問題の検証を行う方針を示した。
笠井亮議員(共産)の質問に前原氏が明らかにした。04年9月、ダムの本体工事で「落札者は鹿島建設」との情報が寄せられ、05年2月にダム本体に使う石を山から採取する工事で「落札者は大成建設JV、下請けは水谷建設工業東京支店」との情報があった。同省東北地方整備局は、入札参加業者の事情聴取などをしたが談合を確認できず、入札を実施した。前原氏は「談合情報の業者が2回落札し、しっかり検証したい」と述べた。
胆沢ダムの工事をめぐっては、昨年3月の西松建設の違法献金事件で、複数のゼネコン関係者が東京地検特捜部の調べに談合していたことを認めたうえ、小沢一郎・民主党幹事長の事務所の意向が受注調整に反映されていたと供述していたことが判明。小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件でも、特捜部が、談合の仕切り役を務めたとされる鹿島の本社などを政治資金規正法違反容疑で捜索している。
一方、小沢氏が代表を務める「民主党岩手県第4区総支部」が05年9月の衆院選投票日の2日前、国の公共事業を受注していた水谷建設から250万円の寄付を受けていたことも、笠井氏が指摘した。公職選挙法は、国と契約を結ぶ企業から選挙に関連して献金を受けることを禁じている。小沢事務所は「担当者が不在で回答できない」としている。