最終更新: 2011/04/28 02:26

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福島第1原発の内部を撮影した独立総合研究所社長・青山繁晴氏に話を聞きました。

福島第1原発の最新の内部映像をFNNが独自に入手しました。
4月22日、福島第1原発を訪れ、内部を撮影した内閣府原子力委員会の専門委員で、独立総合研究所社長の青山繁晴氏に話を聞きました。

(実際に福島第1原発を見て、どういう印象を受けた?)
これは、世界の原子力にかかわった人が、誰も見たことのない光景でありますけれども、入るための交渉をしていた時に、『一般の方やジャーナリストでは無理だけれども、専門家であれば、入れるほど落ち着きました』という言葉がありました。
その通り、全体には落ち着いています。
(4号機の原子炉建屋前では)搬入口のところから、4号炉の中が、ある程度見えました。
それを確認したうえで、海の方に行きますと、津波の威力のすさまじさ。
この発電所は、海から非常に近いという難点もあるんですけれども、鉄でできたものが、グニャグニャのあめのように曲げられていて。
そうすると逆に、実はあの津波の巨大さからすると、本来は、よく守られたはずなんです。
格納容器そのものが、ずれたりはしてないわけですから。
ところが、そのあとの処理を間違ったために、このような事態になった。
すなわち、「人災」であるなという印象を非常に強く持ちました。
あと、免震重要棟というのがあるんですが、ここは鉛の板でふさいであって、放射線量が非常に少ない。
作業員の方が、ここに激しく出入りするんですけれども、その時に一切、手抜きをしないで、きちんと定められたことを守っていて。
それから、お話した方、20代の若い方から、定年になったのに、わざわざ自分で志して戻ってきた高齢の作業員まで、みんな目の光が強くてですね。本当にモラルが高くて、感心しました。

(かなり皆さん、士気が高いということ?)
そうです。
それを率いてる吉田所長も、本当によく現場を掌握されているなと。
そこは本当に、感嘆いたしました。

(現場の危機感も感じられたかと思うが?)
吉田所長がはっきりおっしゃっていたんですけれども、『もう一度、同じような規模の津波や地震が来たときに、現状では耐えられない』と。
吉田所長は、あえて「致命的」とまでおっしゃっていましたね。
でも、その言葉のあとが大事で、吉田所長は、津波が来ても大丈夫なように、新たな防波堤を築こうとしている。
それは実は、謙虚におっしゃっていましたが、本当は、本人は非常に強く主張して。
例えば原子力安全・保安院の官僚主義で、「それだったら、いろんな届け出とか、審査が必要だ」と言われたり、あるいは東電本店から、「それだったら、土のうを積めばいいんじゃないか」と言われたり。
それをはねのけて、ようやくこの防波堤をつくるところまできたというのが、吉田所長のおっしゃっていたことなんです。
だから最大の危機は、実はもう一度、津波・地震が来たときにどうやって備えるか、そこにあるんですね。

(04/28 02:09)


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