年末に憧れの「お伊勢参り」に行ってきました。
青森に続き、ホンダの軽で千葉から往復1,200キロの長旅でした。
まあ青森に比べればだいぶ近いですね。
途中、参詣中に雪が降って、「雪の神宮をお参り」なんて趣のある参詣が出来たりと思い出深い旅となりましたが、神宮の話はまた後日にして、今日は「伊勢うどん」について書きたいと思います。
伊勢に到着して、まず腹ごしらえをと思いホテル近くの食堂で昼食に「伊勢うどん」を注文したのですが、見てびっくり、食べてびっくり。これが美味しくない・・・。
蝉だろうが豚の金玉(刺身)だろうが出された物は何でも食べるし、基本的に食べ物を「不味い」と思った事のない自分だったわけですが、これは不味い。
伊勢うどんを食べた事のない人の為に、どんなものか解説すると、茹で過ぎてフニャフニャになった麺の上に、親の敵かと言う程の刻みネギと、ほんの少しの甘しょっぱいタレをかけたもので、とにかく麺が柔らかすぎて話になりません。具も無いし。
「????」と思いつつ取りあえず完食し、いやおかしい、こんな不味いものが伊勢名物な筈がない、昼間のはきっと何かの間違いだと自分に言い聞かせ、夜は別の食堂でまた「伊勢うどん」を注文しました。
でもやっぱり麺はフニャフニャで同じような味。おかしいぞと思いながらも完食。
納得できないので、次の日の昼食はネットで調べた伊勢うどんの有名店「まめや」で伊勢うどん(大)を注文。
これもやっぱり茹で過ぎの麺で味付けも他店とそうそう変わらない。完食。
確かにこの茹で過ぎのうどんが伊勢名物「伊勢うどん」であるのは間違いないようです。
さすがにここまで来ると「なんでこんな不味いものが名物になっているんだろう?」と気になってしまい、失礼と思いつつ、とうとう4軒目の店員さんに聞いてしまいました。
「すみません、なんで伊勢うどんって麺がこんなに柔らかいんですか?」
「さあ?」
「・・・・」
「そういう人も多いですねえ(笑)でも昔っからなんですよ(笑)」
これでは話がまとまらん。でもこの店員さんが可愛かったから良し。
というわけで、観光案内所で調べたところ、つまりこういうことでした。
①江戸の昔、お伊勢参りにやってきた旅人をもてなす為にうどんを用意した。
②これが好評となり、お伊勢参りの定番メニューに。
③あんまり注文が多いので普通にまともに作るのが面倒くさくなった。
④茹で時間など気にせず麺を釜で茹でっぱなし状態にして、参拝客にすぐ出せるようにした。
⑤タレもその辺にあるたまり醤油をぶっかけた。ふーふーしながら食べると回転率悪いし。
⑥具も面倒くさいからネギだけでいいや。
⑦茹で過ぎのフニャフニャうどん(汁・具無し)完成!
・・・素晴らしい。
注文を多くこなす為の「手抜き」の結果が、あの茹で過ぎの麺だったわけですね。
いわば江戸時代のファースト・フードだったわけです。それを、時代が変わって美味しいうどんを出せるようになっても形を変えず、不味いものを不味いまま引き継ぎ、それを「伝統」として継承し、名物にまで昇華させてしまったわけです。
凄い事です。茹で過ぎの麺や具の少なさ、というマイナスポイントを個性として捉え、それを頑なに守りつづけ、とうとう伊勢名物にまで昇華させてしまったことが凄い。日本の文化の懐の深さを感じさせるじゃありませんか。
この話を聞いてからはすっかり伊勢うどんのファンになってしまい、結局、2泊3日の伊勢滞在中はホテルの朝食以外は3食伊勢うどんになってしまいました。
柔らかい麺も、少ない具もタレも、そうなった経緯と江戸時代の参詣者達に思いを馳せながら食べると、味わい深いじゃありませんか。
伊勢うどん、美味しいです。
青森に続き、ホンダの軽で千葉から往復1,200キロの長旅でした。
まあ青森に比べればだいぶ近いですね。
途中、参詣中に雪が降って、「雪の神宮をお参り」なんて趣のある参詣が出来たりと思い出深い旅となりましたが、神宮の話はまた後日にして、今日は「伊勢うどん」について書きたいと思います。
伊勢に到着して、まず腹ごしらえをと思いホテル近くの食堂で昼食に「伊勢うどん」を注文したのですが、見てびっくり、食べてびっくり。これが美味しくない・・・。
蝉だろうが豚の金玉(刺身)だろうが出された物は何でも食べるし、基本的に食べ物を「不味い」と思った事のない自分だったわけですが、これは不味い。
伊勢うどんを食べた事のない人の為に、どんなものか解説すると、茹で過ぎてフニャフニャになった麺の上に、親の敵かと言う程の刻みネギと、ほんの少しの甘しょっぱいタレをかけたもので、とにかく麺が柔らかすぎて話になりません。具も無いし。
「????」と思いつつ取りあえず完食し、いやおかしい、こんな不味いものが伊勢名物な筈がない、昼間のはきっと何かの間違いだと自分に言い聞かせ、夜は別の食堂でまた「伊勢うどん」を注文しました。
でもやっぱり麺はフニャフニャで同じような味。おかしいぞと思いながらも完食。
納得できないので、次の日の昼食はネットで調べた伊勢うどんの有名店「まめや」で伊勢うどん(大)を注文。
これもやっぱり茹で過ぎの麺で味付けも他店とそうそう変わらない。完食。
確かにこの茹で過ぎのうどんが伊勢名物「伊勢うどん」であるのは間違いないようです。
さすがにここまで来ると「なんでこんな不味いものが名物になっているんだろう?」と気になってしまい、失礼と思いつつ、とうとう4軒目の店員さんに聞いてしまいました。
「すみません、なんで伊勢うどんって麺がこんなに柔らかいんですか?」
「さあ?」
「・・・・」
「そういう人も多いですねえ(笑)でも昔っからなんですよ(笑)」
これでは話がまとまらん。でもこの店員さんが可愛かったから良し。
というわけで、観光案内所で調べたところ、つまりこういうことでした。
①江戸の昔、お伊勢参りにやってきた旅人をもてなす為にうどんを用意した。
②これが好評となり、お伊勢参りの定番メニューに。
③あんまり注文が多いので普通にまともに作るのが面倒くさくなった。
④茹で時間など気にせず麺を釜で茹でっぱなし状態にして、参拝客にすぐ出せるようにした。
⑤タレもその辺にあるたまり醤油をぶっかけた。ふーふーしながら食べると回転率悪いし。
⑥具も面倒くさいからネギだけでいいや。
⑦茹で過ぎのフニャフニャうどん(汁・具無し)完成!
・・・素晴らしい。
注文を多くこなす為の「手抜き」の結果が、あの茹で過ぎの麺だったわけですね。
いわば江戸時代のファースト・フードだったわけです。それを、時代が変わって美味しいうどんを出せるようになっても形を変えず、不味いものを不味いまま引き継ぎ、それを「伝統」として継承し、名物にまで昇華させてしまったわけです。
凄い事です。茹で過ぎの麺や具の少なさ、というマイナスポイントを個性として捉え、それを頑なに守りつづけ、とうとう伊勢名物にまで昇華させてしまったことが凄い。日本の文化の懐の深さを感じさせるじゃありませんか。
この話を聞いてからはすっかり伊勢うどんのファンになってしまい、結局、2泊3日の伊勢滞在中はホテルの朝食以外は3食伊勢うどんになってしまいました。
柔らかい麺も、少ない具もタレも、そうなった経緯と江戸時代の参詣者達に思いを馳せながら食べると、味わい深いじゃありませんか。
伊勢うどん、美味しいです。