2011年4月27日14時13分
フリーアナウンサーの滝川クリステルさんが、初のエッセー集「恋する理由」(講談社)刊行を記念したトーク&サイン会を25日、東京・丸善丸の内本店で開いた。30代を迎えたのを機に、同世代の女性らへのメッセージを本にまとめた。「何を考え感じているか、今しか書けないことがある」と思ったのが執筆のきっかけだったという。(アサヒ・コム編集部、写真・都田崇)
【写真特集】滝川クリステルさんトーク&サイン会滝川さんの2冊目の本となる同書では、フランス人の父と日本人の母との間に生まれ育った経験を踏まえ、「日本の女性に新しい生き方のヒントを提案」することを考えたという。ファッションデザイナー、医師、政治家ら8人のフランス人女性との対話や、恋愛・家族・仕事・おしゃれなどについての文章を収録。「フランスでは10代から母が娘を連れて婦人科クリニックを訪れるのが普通。自分の体を知り、守るのは大切なこと。恥ずかしがらないで」と呼びかけるなど、滝川さんならではの視点から女性らを励ます一冊だ。市場や商店、公園、ビストロなどで撮影した写真によるパリ案内では、様々な衣装を着こなしくつろいだ滝川さんの姿が見られる。
この日のイベントは、女性100人限定の予定が後から整理券を50枚追加したほどの盛況。滝川さんは同書をプロデュースした元「マリ・クレール」編集長の生駒芳子さんを聞き手に、ファッション談議や執筆の経緯、日仏の女性観などを語った。「フランスには女性が自由を勝ち取ってきた歴史がある。女性がちょっと前に進むことで、社会は明るくなる。日本人女性のいいところとフランスのアグレッシブなところをハイブリッドする、今はいいチャンスだと思う」
当初3月を予定していた同書の出版は、東日本大震災の影響で延期になっていた。滝川さんは4月初めにNPOのトラックに同乗して宮城県内の被災地を訪問。避難民の笑顔に出会い、「支援物資を届けに行ってパワーをもらった」という。同書の印税の一部は被災者支援のために寄付される。
トークショーの最後に滝川さんは、世界へ贈る言葉としてフランスの詩人ポール・フォールの「世界を取り巻くロンド」(La Ronde autour du monde)を原語で朗読した。堀口大學が編んだ訳詩集「月下の一群」にも「輪踊り」として掲載された有名な詩だ。「世界中の女の子が手をつなごうとすれば 海をぐるりと取り巻いて ロンドを踊ることもできように/世界中の男の子が船乗りになろうとすれば 船を並べて波の上にも立派な橋がかかろうに/だから世界を取り巻くロンドも踊れよう もしも世界中の人々が手をつなごうとするならば」