最終更新: 2011/04/28 00:49

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天皇皇后両陛下、宮城・南三陸町の避難所を訪れ被災者1人ひとりを励まされる

東北の被災地に27日、天皇皇后両陛下が震災後、初めて入られた。
津波で町全体が壊滅的な被害を受けた宮城・南三陸町を、震災48日目の27日、天皇皇后両陛下が訪問された。
眼下に広がる津波のつめ跡を目の当たりにし、町長からかつての町並みがすべてなくなったと説明を受けると、静かにうなずかれたあと、「こんな橋まで落ちたんですか」と衝撃を受けられた両陛下は、犠牲者を悼み黙礼された。
両陛下が震災後、被災地・東北を訪問されるのは、初めてのこととなる。
続いて両陛下は、避難所となっている中学校を訪れ、不自由な避難生活を続けている被災者の前でひざまずき、1人ひとりを励まされた。
被災者は「わたし、ちょうど津波の時、病院でその時、被災に遭って、病院の5階で九死に一生を得ました」と話した。
天皇陛下は「お体の方は、その後は」と語られた。
皇后さまも、子どもたちに言葉をかけられた。
また、今も行方不明になっている孫の写真を陛下に見せ、涙ぐむ女性もいた。
陛下は、ボランティアの女性や医師などにも、1人ひとり声をかけられた。
天皇陛下は「ご苦労さま。お体の方は大丈夫ですか」と語られた。
両陛下から声をかけられた孫が行方不明の女性は、「きょう、天皇陛下に声をかけられたので、たぶん孫も見つかるかなと」と話した。
声をかけられた男性は、「避難所が長いですから、健康を気遣った言葉をいただきました」と話した。
両陛下の被災地へのご訪問が始まったのは、今から20年前のことだった。
両陛下は、大きな災害が起こるたびに現地に足を運び、被災者を見舞ってこられた。
その最初のご訪問が、即位2年後、1991年に発生した雲仙普賢岳の噴火だった。
43人が犠牲となった大火砕流発生のおよそ1カ月後、長崎・島原市を訪問し、避難生活を送る人たちを励まされた。
1991年7月、普賢岳噴火の被災者は、「光栄ですね。両陛下から、お言葉をいただけるなんて」と話した。
1993年の北海道南西沖地震では、およそ2週間後に津波で大きな被害を受けた奥尻島を訪問された。
1993年7月、皇后さまは「よくご無事でいてくださいましたね」と語られた。
被災した奥尻島の住民は、「主人を亡くしましたけれども、身近にお話しかけていただきましたので、これからもがんばります」と話した。
そして、1995年の阪神・淡路大震災では、これまでのスーツ姿とは違い、ジャンパー姿で地震発生の2週間後に被災地へ足を運ばれた。
1995年1月、被災者は「本当、命だけ助けていただきまして」と話した。
皇后さまは「よく生きていてくださいましたね」と語られた。
大きな火災に見舞われた神戸市長田区では、皇居に咲いていたというスイセンの花を手向けられた。
2004年の新潟中越地震でも、両陛下は被災地を訪れ、ひざをつき、被災者の声に耳を傾けられた。
2004年11月、被災者は「よくしてもらって、避難生活でよくしてもらって、うれしかったです」と話した。
皇后さまは「どうぞ、お元気でね」と語られた。
被災地を訪問される両陛下の思いについて、皇室を担当するフジテレビの宮崎千歳記者は、「弱い立場に置かれている方に心を寄せて、その方たちにとって、なにか精神的な支えになれれば、それがご自身の大事な役目だというふうに、非常に強く考えていらっしゃる」と話した。
両陛下は、今回の東日本大震災でも、被災地への早期の訪問を希望されていたが、現地の復興作業などの負担にならないよう気遣い、東京や千葉など関東の4カ所で避難所の訪問を続けられてきた。
そして、ようやくその思いがかなった27日、両陛下は「がんばろう日本」と書かれた自衛隊の飛行機で、東北へ向かわれた。
南三陸町では、行方不明者の捜索などにあたる自衛隊員に、ねぎらいの言葉をかけられた。
天皇陛下は「このたびは、ご苦労さまです。ずいぶん、いろいろご苦労もあったと」と語られた。
自衛隊員は「災害派遣もわれわれの任務の1つでありますが、士気を高めて」と話した。
天皇陛下は「アスベストとか、いろいろ危険なこともあると思うので、十分に気をつけて作業を進められるよう願っています」と語られた。
南三陸町を離れる際、再び壊滅した町に向かって黙礼された両陛下は、27日午後、仙台で避難所を訪問したあと、27日夜には東京に戻られることになっている。
ご高齢にもかかわらず、現地で宿泊せず日帰りされる理由について、皇室を担当するフジテレビの宮崎千歳記者は、「どうしても泊まりがけで被災地をお見舞いされると、現地で警備を含めた負担が非常に大きくなってしまうので、被災地をお見舞いされる際は、必ず日帰りで帰ってこられるというスケジュールをいつも組まれています。もう一方で、車で現地を移動されると、交通規制をかけることになってしまったり。なるべくヘリポートから近い場所の避難所を、最小限の車の移動で訪れる。そういう配慮もなさっていると聞いております」と話した。
両陛下は、5月2日に岩手県を、そして5月11日に福島県を訪問されることになっている。

(04/27 17:52)


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