＜世界フィギュア＞金妍児、圧巻の演技披露…公式練習

　フィギュアスケートの世界選手権。ベールにつつまれていたバンクーバー五輪金メダリストの姿が、徐々に明らかになってきた。前回の世界選手権（トリノ）以来、１年１カ月ぶりの実戦復帰となる金妍児は、２７日までの公式練習でＳＰとフリーの新しい演技を披露した。

　ＳＰはバレエの古典的名曲「ジゼル」で、２４日夜に行われた女子初の公式練習で披露した。ジャンプの精度や表現力は、この会場での初滑りとは思えない完成度を誇り、韓国メディアを興奮させた。金妍児は「ホーム（練習拠点の米国）ではいい感じでやっていた」と、ブランクを感じさせない表情だ。

　フリーは、朝鮮半島の伝統民謡「アリラン」を盛り込んだ新曲で、「韓国へのオマージュ（敬意）」と題されたスローなナンバー。金妍児は「韓国の人々へのラブレター」と語り、「バンクーバー五輪の金メダルで、すべての目標を達成してしまったので、今度は応援してくれた韓国のファンのために演じたいと思った」と打ち明けた。

　リラックスした様子の金妍児に対し、日本勢も臨戦態勢が整ってきた。連覇を狙う浅田は、２７日の公式練習で、前日に不安定だったトリプルアクセル（３回転半ジャンプ）を、やや回転不足気味ながら着地はきれいに決めた。初出場の村上は２連続３回転ジャンプが好調。安藤もいち早く現地入りし、本番にピークを合わせている。【芳賀竜也】

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