第一回のゲストはEMIさん。インタビュー収録は4/16に行われました。その模様はEMIさんにより 【ラグナロック作戦】へんなWEBマガジンの取材を受けているよ【誕生日】 として全てニコニコ生放送で生配信されてもいます。
彼女は、見返りのないカンパを要求しその金も自分の為だけに使うと公言、エキセントリックな言動と企画で人気を集める人呼んで「キチガイ配信者」。彼女の動く所何かが起こり、この日も予定外の12名というリア凸者(生放送中に押し掛けたリスナー、配信者)を引き連れてやってきました。「EMI」というのは個人名ではもはやなく、物語の名称なのでしょうか。
「編集」を生業とする我々が「未編集」に仕掛けた闘争…この原稿は、配信中リアルタイムで流れるコメントも併記致します。
文:フランケン
写真:ハゲラマン
取材協力:MARONY(TOKYO DANGEROUS NIGHT)
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最近の私の日課はEMIさんの動画を見ることでした。ある日のナマ配信、EMIさんが外配信をしています。EMIさんは「ナンパされねーなー」と言いながら新宿を歩き、オジサンに「ちょっと家まで連れてってよ。何もしないからさ」と逆ナンしてフラれていました。それを見て私の心はときめきます。「これ今やってるんだ、今、新宿に行ったらこの現場に行けるんだ…」と、思うと同時に私の脳みそはぐんぐん飛躍し、EMIさんに大きな妄想を抱いてしまうのです。…EMIさんの持つノートパソコンは3Dメガネみたいなもので、この外配信というのは3Dの街を徘徊してるんだな、新宿をRPGにして冒険してるなんてすごいな。あ、モンスターに出会ったぞ。警官「ちょっと、何してるの」やっぱりポリスは中ボス級だね。丸腰じゃ敵わないな…。
これはダダカンから繋がるハプニングアートの最先端の形なのではないだろうか…
妄想だけでは満足できない私は、本人に会いに行ったのでした。
編集(以下、編)まずは、こういった配信をはじめられるきっかけからお聞きしたいんですけど、まずいつから?
EMI(以下、E)2009年の9月2日からです。
編 はじめての内容は?
E インターネットでラジオをやってたんです。
編 それは声だけ?
E そうです。スカイプってご存知ですか? 私がスカイプで友達としゃべってたのをネットラジオのDJが勝手に音声を垂れ流してたんです。よーするにすごいやっちゃいけないことなんですけど、それでネトラジって存在を知って、でもはじめすごい気持ち悪いなって思って。でもある時、私もネトラジやってみようかなと思って。で、それが配信とかするきっかけでした。
編 それははじめから今くらい人数って集ってました?
E いや、はじめは全然。
編 内容はどうですか? 昔から割と過激なことをやられてたんですか?
E
あんまり覚えてないですねー。
編 あの、警察が家に来てる動画があるじゃないですか。
ぼくはそれを見てえみさんを知ったんですけど、あれはいつくらいですか?
E 2009年の12月です。あれに関しては、映像配信をやるようになって、パフォーマンスとして色んなことをやってたんですけど、E 当時は割とそういう(過激な)放送が(私の放送では)普通で、流行っ >> てもいたんですね。今はそういうのは流行ってないんですけど、私の場合は生活垂れ流しっていって24時間カメラで取りっぱなしっていうのをやってたんですね。それで、見てたリスナーがイタズラで100番通報したらしいです。後から聞いた話ですが、「もうすぐ自殺しそうな女がいる」って通報して、そうしたら警察も来るしかないじゃないですか。でも、私みたいに住所も名前も全部公表してる配信者にしたらそんなのはよくある話というか、例えば消防車呼ばれたり、ピザ100枚頼まれたり。その12月の動画より前にも結構そういうイタズラみたいなのはよくあって、たまたまその動画がネットで広がっちゃったみたいなんですけど。
編 それで、配信内容のお話なんですけど、えみさんはネタなんでしょうけど、割とエッチな内容を意図的にやられてますよね?
E 見てる人がどういうふうに見てるのかは私には分からないんですけど、私としては小学生がチンコ出して周りの子供や大人に「ギャー!」って騒がれたり怒られるとか、そういう反応が楽しくてやってるだけなんですね。あと、私には性欲があまりないみたいで、その子供がチンコ出すっていうのと一緒で人がどういうのを見たらエッチな気持ちになるのかっていうのもよく分からないです。それで私のやつはそういう企画が多いです。
編 そうだったんですね。実は、もっと戦略的なのかと思ってました。でも、例えばニコニコ動画だと、エロ系は途中で配信が切られたりってあるじゃないですか。そのキワキワをついて笑わせようみたいなのがあるんですか?
E それは、レギュレーションがあって、ここまではいいとか、だめとかがあって。例えば事故じゃなく乳首を出す、とか。それには一応目を通して、あとはやりながらここまではいいとか見極めて。で、そういう配信可能な範囲でっていうおもしろさはあります。
編 へー。そういう文書化されたものがあるんですね。
E それと、ひとつ言っとかないといけないのは、ニコニコ動画の配信って、過激なこととか、エロ配信とかしてる人が全てじゃなくて、ただそういうもので人が集りやすいっていうのはあるかも知れないですけど。
編 それはもちろんそうですよね。では、これはぼくが一番聞きたかったことなんですが、外配信ってやられてるじゃないですか。今日も道中、配信しながら高田馬場まで来られたわけですけど、その、外配信をされている時ってえみさんの意識としては、周りの状況と配信を見てる人と、どちらに意識を向けられてるんですか?
E それは配信を見てる人ですね.
編 それだとバーチャルを引き連れて世の中を歩いてるみたいな感覚ですかね。というかあまり周りの反応は気にならない?
E というか、よく思うのは、テレビとかでよく路上とか映してますけど、それとどう違うのかなっていうのはよく思います。
編 それはその時はまぁ、おもしろきゃなんでもいいみたいな感覚ですか?
E 一般人をいじるのは、あまりよくないなとは思うんですけど、まぁ、それはやっちゃってますね。
編 では、もっと細かく砕いて伺うと、こうやってノートパソコンを持って歩いて街を歩くのと、日常普通に歩くのではスイッチが切り替わるような感じなんですか?
E それは切り替わりますね。いつもだったら、例えばティッシュ配りの兄ちゃんとかティッシュくれたら愛想笑いとか返すんですけど、配信中だったらネタにできそうだったらネタにする。
編 なるほど。でもそれはいいことだと思いますよ。
E いいの!?
編 (笑)いや、世の中的にはよくないと思いますが、ぼくらは悪ふざけは大好きなんで。それに、配信者として、というよりはむしろ、コメント書いてる人に意識が近いというか、ご自身の体を使ってエンターテイメントを提供しているというふうに見えて好感持ってます。
それで、えみさんの場合24時間やられてるわけじゃないですか。それだとずっとonなわけですか?
E うーん。もう慣れちゃって。でも配信してる人皆がみんなそうではないと思いますけど。
編 で、見てる人は色々な見方で見てると思うんですけど、えみさんご自身に見られる快感っていうのはあるんですか?
E 例えば、暇な時とかさみしい時に友達に電話するのって1対1じゃないですか。で、私がインターネットラジオをはじめた時って最初のリスナーは5人だったんですけど、日常、5人の人が私の話を延々聞いてくれるってことまずないじゃないですか。そしてこれって双方に責任がないんですね。私がもう眠いから配信を切る、リスナーはもう聞きたくないから出て行く。そういうのがものすごく心地がよかったんですね。私の入り口はそこで。それで今、アーカイブが残ってる、割と派手なことやってるのが目立ってますけど、私の中でははじめの5人に向かってやってるのと変わってないんです。
編 それで見てる人が多くなった今、プレッシャーってないですか?
E そういうのはないですね。こいつらは!(とPCを指差す)何処の誰だかも知らないし、ましてや顔も知らないし…ってなんの話してたんでした?
編 (笑)リスナーとの関係ですね
E そうそう。……心地いいです。
編 (笑)
E あと、インターネットって細かい悩みが集りやすいんですね。細かい悩みというか例えば痩せたい人がいて、どこを痩せたいとかどれくらい痩せたいとかって人によって全然違うじゃないですか。だから同じ痩せたいでも全然話が合わないとかよくあると思うんですけど、それがぴったり自分と同じ悩みの人が見つかったりする。例えば、あなたは禿げてますけど、増毛の人も、植毛の人もいるじゃないですか。
編 そうですね。ぼくはM字ハゲなんですけど。まぁ、例えば世界に2人しかいない悩みでも同じことを共有できる可能性が高い?
E そうそう。それで感覚が近い人が配信をよく見てくれてるのかなとか、思ったりします。
編 確かにそうでしょうね。
E 最近はテレビもあんまりおもしろくないし、こういうところが充実していくんじゃないですかね。
編 やっぱり憂いてますか?
E そうですねー。あんまりインターネットをバッシングするのはやめて欲しいかな。
編 それはでもその対立構造が起爆力になってるって部分もあるんじゃないですかね。
E まぁでも、インターネット負けないっすよ。だって勝てないよ! ウチら素人だもん。いくらテレビの芸人がおもしろいことやったって生活も違うし、乗ってる車だって違うし、いいとこ住んでるし、同じ生活してるウチらには勝てないよ。
編 だって、えみさんの配信されてる動機が楽しいからってことですもんね。それはそっちの方が強いですよ。
E だからそのうちビジネスとして成立するでしょうね。今もしかけてるし。
編 えみさんてネット乞食って名乗ってらっしゃるじゃないですか。実際それで食べていけてますか?
E まだ、無理っすね。
編 それで、お金もらうことでリスナーとの関係って変わりませんか?
E それは2年間やってますけど、ないですね。というか何か見返りを求めての金ならあらかじめそういう金ならいらんと言ってます。
編 では、この配信は良かったなっていうのはなにかありますか?
E 今、ニコニコ生放送に東北の被災地への募金ボタンみたいなのがあるんですね。それに64万円くらい集ったんですよ。だから、その時、私に金をくれって言ってたんですけどリスナーが募金の方にお金入れちゃって。
編 それはしてやったりって感じじゃないんですか?
E いや、なんで私の金じゃないんだろうって思って、へこみましたけど。
編 (笑)じゃあ、改めて、リスナーの人にメッセージはありますか?
E (カメラに向かって)おい、今日誕生日だから、振り込んでくれー
E いやいや、緑のボタンじゃない。銀行に。
(言い訳)
取材場所はいつも打ち合わせで使っている喫茶店だったんですね。で、正直、EMIさんには謝りたいです。申し訳ありません。もっと聞きたいことはあったんですが、お一人目ということでなんかケーススタディみたいな、配信者代表みたいな立ち位置で、何も知らないクリクリお目目のぼくたちに一からお勉強させて頂きありがとうございます。できるなら、もう一回お話聞きたいです。
迷惑と取るのも変質者と取るも自由です。
窃視願望を満たす存在と取っても、芸人よりおもしろい人と取っても自由です。
ただ、これだけの人を集める求心力は事実です。