田中実さん　自殺　４４歳自宅で

　俳優の田中実さん（４４）が、東京都大田区の自宅マンションで首をつって死亡していたことが２６日、警視庁池上署への取材で分かった。同署は自殺とみて調べている。

　同署によると、２５日午後３時半ごろ、田中さんが仕事先に現れないことを心配したマネジャーと母親が同区下丸子の自宅マンションを訪れたところ、田中さんが首をつっているのを見つけ、１１９番。病院に搬送されたが、約１時間後に死亡が確認された。

　遺書は見つかっていないが、争ったような跡がないことなどから同署は自殺とみている。

　所属事務所のオスカープロモーションでは「一昨日もマネジャーと話をしていた。悩む様子もなかったので驚いている。事務所の若手の俳優たちに演技指導をしてもらっていたのに」と話している。ただ、今月１１日に田中さんが自身のブログに書いた詩のような文章では、「下を向いて／考える時は／どこか気持ちが沈んでるような…」「考えるのは大好き／空を見上げて考えたい」などと記されており、何らかの悩みを抱えていた可能性もある。

　田中さんは、仲代達矢主宰の「無名塾」出身。１９９０年のＮＨＫの連続テレビ小説「凜凜と」で、同シリーズとしては珍しい男性主人公を務めた。その後、ＴＢＳ系「温泉へ行こう」シリーズ（９９〜０５年）でヒロインの夫で温泉旅館の支配人役を演じ、人気が定着。２時間ドラマなどに多数出演していた。

　「凜凜と」で共演した俳優野村宏伸（４５）の話　今はショックで非常に残念で言葉も出ません。