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【グラニュース】


<グランパスVゾーン> 水まきでパス封じられた

2011年4月27日 紙面から

浦和−名古屋 試合開始直前にピッチに水がまかれた影響か、ドリブルのボールが体から離れ浦和の柏木(右)に奪われる名古屋FWケネディ=24日、埼玉スタジアムで

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 名古屋グランパスは24日の浦和戦(埼玉)に0−3と完敗し、開幕2戦目も白星をつかめなかった。主導権を握り損ねた要因の1つは、試合前に浦和が行った水まきにあった。

 試合開始直後から、足を滑らせるシーンが目立った。浦和が仕掛けたグランパス対策は、試合直前に、ピッチに水をまくことだった。

 パスサッカーのベースになる高い技術を封印。序盤に象徴的だったのは闘莉王が得意とするロングパスで展開した場面。左サイドを駆け上がる金崎に届いたと思った瞬間、ぬれたピッチでバウンドが加速し、タッチラインから出てしまった。「試合前の練習とは、全く違う状態で、慣れるのに少し時間がかかった。ボールが走り過ぎたり、(パスを)受ける感覚も戸惑った」と小川が振り返った。

 浦和の不意打ちではない。水まきはグランパス側の了承を得ている。阿部は「事前に分かっていたので、対応しなければいけなかったが、ウチのほうがミスが多かった」と浦和との差を認めた。

 条件は同じでも、仕掛ける側と仕掛けられた側の心理的な違いがある。J1は東日本大震災で約1カ月半の中断。これが再開初戦だった。中断の間、グランパスはアジア・チャンピオンズリーグ3試合をこなし引き分けの後、連勝。「公式戦をこなしたので、試合の入り方では、ウチにアドバンテージがあると思う」。試合前日、小川の弁だ。油断ではない。公式戦独特の緊張感や実戦感覚から遠ざかる浦和に対して、立ち上がりから主導権を取ろうという狙いがあった。

 付け込むスキは閉ざされた。浦和からすれば、滑りやすいピッチにてこずって、互いにリズムに乗れない状況が続いても、試合に慣れるまで時間稼ぎができる。技術、心理両面での効果があった。グランパスは前半12分にカウンターから失点し、同25分の2点目で、流れは決まった。

 「ピッチがどうこうではなく、ウチの状態が悪すぎた」(増川)と敗戦の理由として挙げる選手はいない。しかし、連覇を狙う難しさも見えた。今後も、対戦相手はJ1王者を研究して、手を替え品を替え、ワナを仕掛けてくるだろう。立場が変わり、ハードルが一段高くなったことを思い知らされた試合だった。 (木本邦彦)

 

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