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【芸能・社会】被災者とボランティアの女性婚約 出会いは避難所、挙式も2011年4月27日 07時44分 避難所となっている宮城県南三陸町の志津川小学校に泊まり込んでいる被災者の男性とボランティアの女性が婚約した。阿部誠輝さん(42)と、奈良県生駒市から駆けつけたクリーニング店店員村上希望さん(28)。2人は5月中旬に避難所で結婚式を挙げる予定だ。 地震発生後、消防団に所属する阿部さんは消防車で避難を呼び掛けて回った。すぐに真っ黒い津波が地鳴りのような音を立てて町をなぎ倒し、消防車のすぐ後方まで迫る中、懸命に避難。その後は取り残された住民の救助をしたり、避難所に泊まり込んで被災者の世話をしたりしている。 村上さんは「阪神大震災の時に被災地入りした父の姿に影響を受けた」と3月26日に避難所入りした。 避難所生活を送るうちに、いつしか会話するようなった。物資の運搬ボランティアをしていた村上さんが「地元の地理を教えてほしい」と頼んだことで、一緒にトラックで物資を運搬するようになり、2人の距離は一気に縮まった。 「みんなのためにとの一生懸命さに引かれた」と阿部さん。村上さんも「弱音を吐かずに働く責任感が頼もしい」。 阿部さんの家族や高台にある住まいは無事だったが、勤務していた鮮魚店は津波で流失。再就職のめどは立っておらず、生活基盤は不安定。「がれきだらけの町に連れて来られない」と悩んでいた。でも「この町で復興に携わる仕事に就き、恩返しがしたい」との思いは同じだった。 村上さんが帰宅のため町を離れる日、阿部さんは村上さんを連れて仮設の町役場へ。窓口で「婚姻届ありますか」と尋ねた阿部さんは「必ず守る。絶対に離さない」とプロポーズ。「ありがとう。お願いします」。村上さんは笑顔で受けた。 (共同)
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