事件・事故・裁判

文字サイズ変更

大阪高裁:大麻所持の男に執行猶予 震災ボランティア考慮

 大麻取締法違反の罪に問われ、1審大阪地裁で実刑判決を受けた被告の男(32)の控訴審判決で、大阪高裁は26日、1審判決を破棄し、懲役2年、執行猶予5年を言い渡した。被告が保釈中に東日本大震災のボランティアに従事したことなどを考慮した判決で、上垣猛裁判長は「社会に貢献しようとしていることが認められ、服役させるより刑の執行を猶予し、社会貢献させるのが相当」とした。

 被告は大阪市内の自宅で大麻を所持したとして、大阪地裁で昨年11月、懲役1年6月(求刑・懲役2年)の実刑判決を受けた後、控訴して保釈中だった。震災の後、友人らと協力して募金や物資を集め、日本赤十字社などに送ったほか、高裁の許可を得て4月10~18日、被災地の宮城県に入り、がれきの撤去作業などのボランティア活動に従事したという。

 上垣裁判長は「1審判決の言い渡し時点では量刑が重過ぎて不当とまでは言えない」としたが、ボランティア活動に触れ、社会内で更生する機会を与えるのが相当などと指摘した。被告は判決後、「今まで悪いことばかりしてきたので、少しでも人の役に立ちたい」と話した。来週から再び被災地に行く予定という。【久保聡】

毎日新聞 2011年4月26日 21時33分

 

おすすめ情報

注目ブランド

毎日jp共同企画