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福島の農家、怒り爆発 東電本店前で抗議 「原発収束を」

東京電力の本店ビルに向かって怒りの声を上げる農業者たち=26日午後1時20分ごろ、東京都千代田区

 東京電力福島第1原発の事故で被害を受けた福島県内の農業者約150人が26日、東京都千代田区の東京電力本店前で抗議活動を行った。むしろ旗を掲げ、出荷停止となったキャベツやホウレンソウなどを手に怒りを訴え、速やかな事故の収束と賠償を強く求めた。

 抗議活動は農民運動全国連合会が企画。千葉、茨城両県などからも約100人が参加した。代表者数人が本店内に入り、早期の事故収束と賠償などを求める要請書を手渡した。応対した社員は「承りました」などと話したという。
 須賀川市の農家樽川美津代さん(61)は夫久志さんの遺影を抱きしめて参加。久志さんは先月24日、「原発の事故で福島の農家はもう終わりだ」と言い残し、64歳で自ら命を絶った。
 美津代さんは、昨年夏に久志さんが種をまいた春キャベツ十数個を持ってきた。東電本店前で「原発からの放射能を止めてほしい。もう、うちの人のような悲劇を繰り返したくない」と涙ながらに訴えた。
 第1原発から23キロの計画的避難区域内で酪農を営む葛尾村の佐久間哲次さん(35)は、福島市の避難所からやって来た。年間売り上げは1億円に近づき、今月中に法人化する予定だったが、「事故がすべてを変えた」と嘆く。2日に1度、餌を与えに通うが、世話ができず、生まれたばかりの子牛や病気にかかった成牛が死んでいくという。
 佐久間さんは「牛舎に行くたびに牛の死体を処分している。事故で家を捨てる前、家族6人で泣きながらご飯を食べた。東電には牛を普通に飼える日常を返してほしい」と訴えていた。


2011年04月27日水曜日


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