計算の仕組み
SPEEDIネットワークシステムは、3つの計算モデルを用いて、局地気象予測計算、風速場計算および濃度・線量計算を行い、線量などの予測値を算出します。これらの予測値は、計算開始時点から指定した予測時間幅の間を1時間刻みの出力図形として見ることができます。
SPEEDIで使用されるGPVデータ
SPEEDIでは、GPVデータとして、上層500hPa面までの5層のデータおよび地上のデータを使用しています。 また、水平方向については、図で示された範囲を、地上は120(X)×150(Y)、上層は60(X)×75(Y)に分割しています。 |
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局地気象予測計算(PHYSIC) GPVデータを基に、原子力施設が設置されている地域の風向・風速、気温等の予測データを取り出し、大気力学方程式に基づき、風向・風速について局地の地形を反映した計算格子点上の予測値を計算するとともに鉛直拡散係数、大気安定度の予測データを作成します。 | |
質量保存則風速場計算(WIND21) 局地気象予測計算からの予測値を内挿により、より高い分解能の計算格子上に設定します。風速場については、より高い分解能の標高データを入力し、風速場の変分解析により質量保存則が満たされるように内挿値に最小の修正を加え、風向・風速を予測します。 | |
濃度・線量計算(PRWDA21)
風速場の計算結果、放出源情報、地形データなどをもとに、以下の濃度・線量計算が行われます。 ●降雨および乾燥沈着ならびに放射能の減衰を考慮し、放射性物質の大気中濃度および地表蓄積量の予測計算を行います。 ●放射性物質の大気中濃度および地表蓄積量の計算結果から、空気吸収線量率を計算します。空気吸収線量率は、各核種からの複数のγ線による寄与を個別に計算して合計する詳細な手法により計算されます。 ●空気吸収線量率の計算結果から外部被ばく実効線量を計算します。 ●放射性物質の大気中濃度の計算結果から、吸入による臓器等価線量や内部被ばく実効線量等を計算します。 |