WSPEEDIについて
日本原子力研究所では、1987年から2000年にかけて第2世代SPEEDIの開発を行い、海外で発生した原子力事故に対応するための世界版SPEEDI(WSPEEDI)の整備を行いました。現在は第3世代SPEEDIとして数値環境システムSPEEDI−MP(Muliti-model Package)の開発を行っています。
WSPEEDIは、これまでのSPEEDIの予測機能の強化に加え、国外で原子力事故が発生した場合の放射性物質による日本への影響を評価する機能や、放出源情報が不明な場合に国内のモニタリングデータから放出源や放出量を推定する機能を有しています。
すでにWSPEEDIは、様々な拡散実験などのデータによって検証されており、旧動燃(動力炉・核燃料開発事業団)の火災爆発事故(1997年3月)やJCOウラン加工工場臨界事故(1999年9月)の解析で実績を上げています。
SPEEDI−MPは、さまざまな環境問題に対応できる新しい環境中物質循環予測システムであり、2000年8月28日に起きた関東地方での異臭騒ぎでは、三宅島の火山性ガスの拡散プロセスをシミュレーション計算により解明しました。
この火山性ガスの拡散予測シミュレーションについては、ホームページ上で毎日公開されています。
※「日本原子力研究所」と「核燃料サイクル開発機構」は、平成17年10月1日に統合し、「独立行政法人 日本原子力研究開発機構」になりました
MPEGデータ(8.22MB)
情報提供元:日本原子力研究所
※ご覧になるにはWindows Media PlayerまたはQuickTimeが必要となります。
そのほか、世界で初めて害虫(イネウンカ類)のアジア地域長距離移動を高精度に予測するシステムの開発を行い、日本のどの地域にいつウンカが飛来するかの予測が可能となりました。
2004年からウンカの飛来予測を開始し、予測結果はホームページ上で公開されています。
【SPEEDI三宅島火山性ガス拡散シミュレーションに関するホームページ】
・三宅島の火山性ガス拡散の様子「SPEEDI」でシミュレーション
・関東地方の異臭騒ぎと三宅島噴火との関連を数値シミュレーションにより解明
【ウンカの飛来予測に関するホームページ】
・リアルタイムウンカ飛来予測