SPEEDIの開発および運用の経緯
昭和54年3月に発生した米国スリーマイルアイランド原子力発電所の事故を契機に、昭和55年に日本原子力研究所において、事故発生事業所周辺環境の放射性物質の分布状況と被ばく線量などの予測のためSPEEDIシステムの設計を開始し、昭和59年に基本システムが完成しました。同システムの開発においては計算モデルを検証するために、野外拡散実験、流跡線観測、風洞実験など各種の実験を実施し、予測精度の確認がなされています。
昭和59年からネットワーク化のための調査が行われ、その翌年から福島県および佐賀県などを対象とするSPEEDIネットワークシステムの維持・運用を開始しました。
平成2年に、中央情報処理計算機が(財)原子力安全技術センターに設置され、現在の運用形態になりました。その後ネットワークが拡張されて平成14年には19道府県となり、さらに全国22ヶ所に整備されたオフサイトセンターとも接続されました。その間、ハードウエアの技術進歩に伴い中央情報処理計算機、中継機1および中継機2の更新が行われてきました。平成17年1月には、気象予測の方法をはじめとして、予測精度の向上を図るために改良された計算モデルへの更新が行われました。
※「日本原子力研究所」と「核燃料サイクル開発機構」は、平成17年10月1日に統合し、「独立行政法人 日本原子力研究開発機構」になりました