水に溶けている陽イオンを効果的に除去するためとなると、ゼオライトより圧倒的に合成イオン交換樹脂のほうが上ですね。ふつうなかなか手に入りませんが。 身近なところでは浄水ポット「ブリタ」は陽イオン交換樹脂が主に入っています。もともとカルシウムを除去するための製品なのでストロンチウムなど良く取れることが期待されます。しかしセシウムはというと、イオン交換の選択性が効いてくると思います。ブリタのイオン交換樹脂は新品の時、交換容量がすべてカリウムで満たされており(カルシウムを除きカリウムで置き換える)、一方イオン選択性は、 H 1.0 Na 1.5 K 2.5 Cs 2.7 Ca 3.9 Sr 5 (手元にあったクロマトグラフィー担体カタログより、ダウケミカルのデータ) ゼオライトならpHとか温度とかでこの序列がかなり変化するでしょうが、大勢はかわらないと思います。いくつものたくさんのイオンが共存する中できわめて低濃度のセシウムを極わずかなアフィニティの差、競合に負けると思います。
著:カール・せーガン 訳:青木薫 原題:THE DEMON-HAUNTED WORLD Science as a Candle in the Dark 邦題:悪魔にさいなまれる世界「知の闇を照らす灯」としての科学 (早川文庫) 旧邦題:人はなぜエセ科学に騙されるのか (新潮文庫) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−