給与労働者、下位20%の平均年収112万円
給与労働者の所得全体に占める高額所得者の割合も増えており、上位20%が受け取る所得の割合は、05年の38.6%から09年には41.6%へと4年間で3ポイントも上昇した。
清掃関連会社で非正社員として働くAさん(55)は、1日12時間労働で、月収が90万ウォン(約6万8000円)だ。Aさんは結婚を控えた息子(28)が新居を借りる際の保証金を工面しようと、3年間にわたり、月に40万ウォン(約3万円)を積み立ててきた。残る50万ウォン(約3万8000円)が生活費だ。Aさんは「昼食はキムチとご飯だけの弁当だ。数日前に買った2000ウォン(約150円)のスカーフも思い切って購入したものだ」と話した。
一方、今年で銀行に23年務めるB部長(48)は、年収が1億ウォン(約760万円)以上だ。国税庁によると、09年に1億ウォン以上の年収がある高額所得者は19万6539人で、5年前の04年(4万1133人)に比べ4.8倍に増えた。B部長は「現在は月に600万-700ウォン(約45万3000-52万9000円)を受け取って暮らしているが、55歳で退職しなければならず、生活が不安なのは同じだ」と語った。
給与労働者の間で所得格差が拡大したのは、金融機関、輸出企業などいわゆる「一流職場」で賃金上昇率が高かったのに対し、成長から疎外された中小企業の従業員の賃金上昇率が低かったためとみられる。また、正社員に比べ相対的に賃金が低い非正社員が増えていることも一因だ。
韓国経済研究院(KDI)のユ・ギョンジュン研究委員は「企業が急速に発展し、ハイクラスの労働力需要が増えているため、彼らの賃金が低スキルの労働者に比べ大きく上昇しているのは世界的な流れだ。政府が福祉支出を増やし、低所得層の可処分所得を補填(ほてん)しなければ、所得格差を縮小することはできない」と指摘した。
方顕哲(パン・ヒョンチョル)記者