キャンディーズの元メンバー、「ランちゃん」こと女優の伊藤蘭(56)、「ミキちゃん」こと藤村美樹さん(55)が25日、東京・青山葬儀所で営まれた田中好子さんの告別式で弔辞を読み、親友との最後の別れに涙した。
◆伊藤蘭弔辞全文
スーさん。あなたが旅立つとき、1人で寂しくないように、ミキさんと一緒にあなたの名前を何度も呼びました。私たちの声はちゃんと届いていましたか? 時間がたつほどに大切な人を失った悲しみとさびしさがこみ上げてきて、いま、私たちはとても困惑しています。
お互いにまだ幼い中学生だった頃に出会い、キャンディーズというグループを通して喜びも苦しみも共に分かち合い、素晴らしい青春時代を過ごすことができました。スーさんはいつも春のように優しいほほ笑みで私たちを包み、なごませてくれましたね。
その後の女優としての活躍はいうまでもなく、いい仕事をたくさんして、多くの人たちに感動を与えてくれました。体の事を打ち明けられた時は「なぜスーさんが」と、悔しい気持ちでいっぱいでした。本当はつらいはずなのに、いつも3人で会う時は「笑うことが一番の薬なのよ」と言って、明るく楽しい時間を過ごし、反対に私たちの方が励まされていたような気がします。
3人の中では一番年下で甘えん坊だったスーさんが、いつの間に、強く、頼もしく、心豊かな女性になっていた事に驚かされました。お見舞いに行った時も、体調が思わしくないにもかかわらず、私たちを気遣い、いつものようにユーモアを忘れない、本当にかわいいスーさんでしたね。
愛情いっぱいのご主人、一雄さんや、スーさんが一番気にかけていたお父さん、お姉さん、そのご家族、そして、いつもそばに寄り添っていたマネジャーの丸尾さんの気持ちを思うと、とても胸が痛みます。
私たちはみんな、大好きなあなたの笑顔を、そして最後まで病気と闘い、立派に生き抜いたその勇気を決して忘れることはありません。それを支えに、何とか頑張って生きていかなければ、と自分に言い聞かせています。どうぞ私たちの事を見守っていてくださいね。
ただ、もう一度だけでいいから、3人で会いたかったです。約束していたのに果たされなかったのが残念でなりません。だから今はまだ、「さよなら」は言わずにおきますね。いつか会える時まで、もう少しだけ待っててね。
これからは今までの心配や不安から解き放たれて、どうかゆっくり休んでほしいと思います。ミキさんと私にとって、いつまでも特別な存在のスーさん。心から感謝しています。ありがとうスーさん。ずっとずっと愛しています。
平成23年4月25日 伊藤蘭
[2011/4/26-06:00 スポーツ報知]