オルビスの2010年12月期決算は、売上高が前期比3.6%増の493億5700万円、営業利益が同15.0%増の55億9200万円となった。営業利益率は、同1.3P増の12.5%となっている。前期は、商品やチャネル、顧客育成、海外展開での進展がみられた。
商品面では、スキンケア中心の商品改編を実施。「クリアシリーズ」「クレンジングリキッド」の刷新により、前期比12.9億円の増収となった。
チャネル政策では、さらなる利便性の追求、チャネルミックスの進展に向け、ネット通販を強化。通販ネット受注比率が前期比2.5%増となった。これにより、国内における売上構成比は、カタログが4割強、ネット通販が3割強、店販が2割強となっている。
顧客育成ではCRM(情報システムを応用して企業が顧客と長期的な関係を築く手法)を強化し、年間購入単価(通販=前期比3.9%増、店販=同4.6%増)が上昇。通販スキンケア購入者比率(同2.9%増)や通販リピート率(同1.2%増)も上向いている。それは外部評価にもあらわれており、日経ビジネスが実施する「2010年アフターサービス満足度ランキング」でも、ネット通販部門において2年連続で1位となっている。
海外では、台湾・韓国がともに好調に推移するとともに、中国で通販展開に向けた事業基盤の強化を図った。
2011〜2013年までの中期経営計画では、「ブランド再構築」により営業利益率15%の達成を目指す。
商品・サービス面では、スキンケアシリーズの再編・強化、革新的オイルカット商品の開発を進めるとともに、フルフィルメントシステムのさらなる進化を図る。
チャネル政策では、ネット受注比率アップによる効率化(媒体費用削減)を図るとともに、収益性を重視した新規出店(年間2〜3店舗)を進める。
顧客育成面では、30〜40代スキンケアユーザーの獲得を最優先課題とし、コミュニティ「みんなのクチコミ」などを駆使してブランドファンづくりを進めていく。
プロモーションでは、ネット活用でのOnetoOneコミュニケーションを進めるとともに、分野併売の促進を図る。
海外については、ダイレクトマーケティングの強みを活かし、年平均20〜30%の成長を目指す。具体的には、中国でのインターネット通販の早期開始、台湾での積極的な広告宣伝投資(TVCM、コンビニカタログ)、韓国での会員制・ポイント制の活性化を進める。