政府・民主党は25日、東日本大震災の被災地復興へ向けた実施組織について、まず全閣僚で構成する「復興対策本部」を設置し、1年後の来年4月をめどに各府省の権限を一元化した「復興庁」(仮称)を設置する方針を固めた。民主党の玄葉光一郎政調会長(国家戦略担当相兼務)が同日、自民党の石破茂政調会長にこうした方針を説明した。民主党はこれを盛り込んだ復興基本法案を、自民、公明両党と共同で今国会に提出することを目指すが、両党が応じなければ単独提案に踏み切る考えだ。【大場伸也】
復興実施組織を巡っては、全閣僚による復興対策本部が各府省の指揮をとる政府・民主党案に対し、自民党は各府省の権限を集約した「復興再生院」を設置する独自の法案骨子を発表している。政府・民主党は、復興再生院などの考えを取り入れた「2段構え」の組織づくりを盛り込むことで、与野党連携の呼び水にしたい狙いがある。ただ、石破氏は民主党との協議に前向きだが、統一地方選の民主敗北を受け、自民、公明両党は菅政権との対決姿勢を強めており、共同提案に応じる可能性は低い。
これとは別に、菅直人首相と国民新党の亀井静香代表は、与野党代表者による「復興実施本部」の設置と野党の参加を呼び掛けているが、自民党の石原伸晃、公明党の井上義久両幹事長らは25日の会談で、応じない方針を確認した。復興実施本部の設置が困難な情勢であることから、対策本部-復興庁を2段階で設置する案の扱いが、今後の与野党調整の焦点になりそうだ。
毎日新聞 2011年4月26日 東京朝刊