青山葬儀所で25日に営まれた女優・田中好子さんの告別式で、元キャンディーズの「ミキ」こと藤村美樹さん(55)と「ラン」こと女優の伊藤蘭(56)がそれぞれ弔辞を読み、別れの言葉を捧げた。ミキは「また3人で歌いましょう。私たちは永遠にキャンディーズだからね」と声を詰まらせ、ランは「今はまだ、さよならは言わずにおきます。ずっとずっと愛しています」と語りかけた。読経が始まると、ミキはハンカチで顔を覆い、ランの肩に寄り添うようにして号泣。会場は涙に包まれた。
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「私たちは永遠にキャンディーズだからね」‐。祭壇でほほえむスーちゃんの遺影に呼びかけた藤村さんは「平成23年4月25日 ミキ」と弔辞を締めくくった。83年、結婚を機に芸能界を完全引退したが、この日だけは「キャンディーズのミキ」に戻った。
ミキとランは、肩を寄せ合うように、弔問客の席に座った。先に弔辞を読んだミキは「スーさん、なんでそんなに早く逝っちゃったの?おばあさんになるまで恒例の集合写真撮りたかったのに……」と、末っ子で甘えん坊のスーちゃんを1学年上の2人が見送る切なさに、涙で声を震わせた。
3人は1978年に解散してから、一度も仕事をともにすることはなかった。しかし、最近はランの夫で俳優の水谷豊(58)もまじえた“キャンディーズ会”を水谷家で定期的に開催するなど、絆は変わらなかった。ミキは「会うたびにお菓子を食べ、お茶を飲みながら、おしゃべりしたよね」と楽しそうに思い返し「スーさん!天国はどうですか?天国は素晴らしいところらしいですね」と努めて明るく呼びかけた。
ミキに続いて弔辞を読んだランは「もう一度だけでいいから3人で会いたかったです。約束していたのに果たされたなかったのが残念でなりません。今はまださよならを言わずにおきますね」と語りかけ、24日の通夜の席では我慢していた悔し涙をこぼした。
スーちゃんが亡くなる直前、2人は小達さんから「家族同然だから」と病院に呼ばれ、最期をみとった。「旅立つときに一人で寂しくないように」と息を引き取るまでの約7時間、2人で名前を呼び続けた。「私たちの声はちゃんと届いていましたか?」と涙声のラン。「もう間に合わないかもと思ったけど、3人がそろったあの時間は奇跡でした」とミキ。出会いから約40年。たくさんの思い出を胸に「また3人で歌いましょう。私たちは永遠にキャンディーズだからね」とミキが天国での再結成を誓うと、参列者からは嗚咽(おえつ)とすすり泣きがもれた。
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