3・4号機汚染水 深刻さ増す
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3・4号機汚染水 深刻さ増す

4月26日 4時20分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所の事故で復旧の妨げとなっている放射性物質に汚染された水の水位や濃度が、3号機と4号機でも上昇しています。3号機の原子炉を冷却する水が流出している可能性があり、今後、移送や処理の面でさらなる課題を抱えることになりそうです。

福島第一原発では、建物の中や敷地内にたまった大量の汚染水が復旧の妨げとなっていて、特に濃度が高い2号機の「トレンチ」と呼ばれるトンネルの汚染水は、一時的な保管場所への移送が最優先で進められています。ところが、3号機と4号機でも汚染水の水位や濃度が上昇していることが分かりました。このうち3号機では、トレンチの汚染水の水位が25日午後6時の時点で地上の出口から99センチと、東京電力が移送を始める目安としていた1メートルを初めて切りましたが、現時点では移送先が確保できておらず、監視を続けざるをえないとしています。またタービン建屋地下の汚染水の水位も、25日午後6時の時点で1メートル10センチと、3日前よりも10センチ上昇しています。さらに、4号機のタービン建屋の地下にたまった水の放射性物質の濃度を21日に調査したところ、1か月前と比べてセシウム134とセシウム137がいずれもおよそ250倍に、ヨウ素131がおよそ12倍に上昇していて、東京電力が移送や処理を優先する分類としている「高濃度」の水準に達しました。しかも、汚染水の水位の上昇が続いていて、25日午後6時の時点で1メートル15センチと、この10日間で20センチ増えました。2つのタービン建屋はつながっていて、東京電力は、3号機の原子炉を冷やすために注いでいる水が4号機にまで流出している可能性があるとしています。汚染水の問題を解決しないことには本格的な復旧に入ることができず、東京電力は、今後、移送や処理の面でさらなる課題を抱えることになりそうです。