NHKニューストップへ
※ すべての機能を利用するには、JavaScriptを有効にしてください。

拡散予測データ HPで公開へ

4月25日 21時54分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、放射性物質がどのように拡散するかを予測したデータについて、政府は、これまで十分に情報を提供できていなかったとして、事故が発生した先月11日以降1時間ごとに計算した結果をホームページで公開することになりました。

このデータは、風などの気象情報や地形の情報などを用いて放射性物質の広がり方をコンピューターを使って予測する「SPEEDI」と呼ばれるシステムを使って計算するものです。今回の福島第一原発の事故では、原子炉から外部に放出される放射性物質の量がはっきりしなかったなどとして、計算されたデータが先月23日に公表されるまで、一切公開されず、情報の提供が不十分だなどの指摘が出されていました。こうしたことを受けて政府は、1時間当たり1ベクレルという放射能の放射性物質が放出された場合、どのように拡散するかを予測したデータを過去にさかのぼって公表することに決めました。具体的には、事故が発生した先月11日以降、1時間ごとの気象データを用いて計算した予測結果で、▽地表で希ガスから受ける1時間当たりの放射線量や、▽放射性ヨウ素の大気中の放射性物質の濃度などとなっています。また、このシステムを使って計算した24日までの積算の放射線量の試算値についても公表するとしています。これらは、原子力安全委員会のホームページで公開されるということです。今回公表される拡散予測のデータは、実際にその場で浴びる放射線量の予測ではなく、あくまで放射性物質などの広がりを示すもので、今回の情報公開について細野総理大臣補佐官は、25日の記者会見で「この結果をどのように活用するか、政府内でも結論が出ていないが、試算している以上公表すべきだと考えた」と述べました。