宮崎県は25日、家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」への感染を否定できない牛が同県都城市で見つかり、うち症状の顕著な5頭の検体を動物衛生研究所(東京)に送ったと発表した。検査結果は26日朝に判明する見通し。
県によると、繁殖牛10頭を飼育する都城市の農場で、口内に潰瘍などがある牛7頭が見つかった。県は「典型的な症状のよだれや水疱(すいほう)はないが、複数にただれがあるため念のため検査する」と説明。陽性と確認された場合に備え、この農場から半径20キロ圏内の農場4605カ所を対象に牛や豚の移動自粛を求め、家畜市場1カ所にも26日の競り市自粛を要請した。
県は今年4月に改定した防疫マニュアルで、少しでも感染が疑われる場合はすべて動衛研で検査すると規定。検体を送る時点で農場のある自治体名も公表し、九州各県にも報告する。改定前は、PCR(遺伝子)検査で疑似患畜と判定されるまで非公表だった。
宮崎県内では昨年4月に口蹄疫の発生が確認され、292例まで拡大。予防的措置も含め、牛や豚計約29万8千頭が殺処分され、8月に終息した。
=2011/04/26付 西日本新聞朝刊=