2011年4月1日1時43分
東京電力福島事務所は31日、福島第一原発で作業員が受ける放射線量を測る携帯線量計の数が足りず、多い日で180人が線量計を持たずに作業していたと発表した。内規を改めてグループに1台で作業を進めてきたが、作業員が不安を訴え、他の原発から線量計を集めて全員に持たせることにした。
発表によると、線量計は地震前に5千台あったが、津波や建屋の倒壊で320台しか使えなくなった。このため、1人に1台持たせる内規を変更し、一定の条件下でグループで1台だけ持たせ、全員が同じ線量を受けたと見なしていた。
グループに1台としたのは、事前に作業場所の線量を測って線量に変化がない、作業で受ける総線量が10ミリシーベルト以下である、全員が同じ作業をする、という条件を満たす場合に限り、持っていなかった作業員の線量も把握できていたとしている。
不足分は福島第二原発や他の原発から集める予定で、作業が大きく遅れることはなさそうだという。福島事務所原子力技術グループの山中和夫課長は「作業員が不安を感じたことは申し訳なく思う」と話した。
厚生労働省の担当者は「事実とすれば、重要な問題。原発事故が起きた現場で、作業員の健康管理をチェックできる状態だったのかどうか、今後調べたい」と話した。